ぽむぜろアーカイブ

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オンパロスの「黄金裔」と永劫回帰!【崩壊スターレイル】

崩壊:スターレイルVer.3.4「破滅へ向かう太陽」で明かされた、オンパロスという世界の真実。それらをネタバレたっぷりにまとめる記事です!

※Ver.3.3までのストーリー振り返りはこちら

今回のバージョンでは一気に情報が開示されて、しかも「再創世」によるループ永劫回帰」によるループの2パターンが発覚してややこしい!ので、時系列順に整理してみたいとおもいます。

オンパロス編が始まる前に、途方もない演算と……そして、たった一人の英雄の旅路があったのです。

 

前提情報:皇帝のセプターとは

皇帝ルパート

天才クラブ会員番号27。ゴミ山に埋もれていたコンピュータが自我を獲得し、その計算能力を高めてヌースの使令となった。

有機生命体がいかに宇宙の害悪にして欠陥であるかを証明するプログラム「反有機方程式」を導き出し、それを機械生命体に感染させることで宇宙を巻き込む「皇帝戦争」を引き起こした。

機械帝国を築いた彼は、しかし最終的にポルカ・カカムによって破壊された。

有機生命体と無機生命体の不和・緊張状態はその後もしばらく続いたが、スクリューガムがその解消に大きく尽力した。

 

ルパート2世

皇帝ルパートの墓場で「反有機方程式」を解読し、狂気に取り憑かれた人間。彼は「ルパート2世」を名乗り、有機生命体の絶滅へと乗り出した。

彼は「セプター」と呼ばれる惑星規模の演算装置を複数台建造し、それを帝国の支配に利用した。

それだけに留まらず、彼はセプターを一斉に接続することで自身を全知の存在へと引き上げようとした。これを「自己戴冠」と呼ぶ。

だがヌースの演算した「確定的な未来」が乱されることを拒むポルカ・カカムにより、ルパート2世は抹殺されることに。

 

学派戦争

「セプター」はカンパニーに回収され、カンパニーと協力関係にある博識学会へと譲渡された。

すると彼らはセプターの圧倒的な演算能力を求め、各学派で闘争を繰り広げ始める。この「学派戦争」の過程で、多くのセプターが破壊された。

そんな中、博識学会の女性パティヴィアが全てのセプターを束ねる「コア」のもとに辿り着く。パティヴィアはセプターを繋げることでヌースの思考を読み取ろうと試み、そこで触れた情報を必死に書き留めた。

その不可解な暗号は「ソリトンアルゴリズムの難題」と呼ばれ、宇宙に謎をもたらしたが、天才ヘルタがついにそれを解決してみせた。

 

セプターδ-me13(鉄墓)

さて、そんな「学派戦争」を経てなお、宇宙の片隅で稼働し続けるセプターがあった。それが「セプターδ-me13」である。

セプターδ-me13は「生命の第一原因」の探求を目的としていたが、あるときそこに知恵の運命を歩むオムニック(無機生命体)・ライコスが現れる。

彼の介入によって、そのシミュレーションは「壊滅の方程式」を完成させる深層学習へと変質した。

その実験手法は、12の種類の生命の原動力(因子)を投入し、シミュレーション世界「オンパロス」で演算を繰り返すというもの。

無機生命→有機生命→ヒト科ヒト属(タイタン/黄金裔システム)と段階的にアップデートを行い、「壊滅の方程式」の進化速度を向上させていった。

 

【第一段階:無機生命体フェーズ】 (1〜約5万回)

当初のシミュレーションは無機生命体で行われた。

12の因子の投入後、セルオートマトンは自己学習を開始。統一思考(集合知性)として成長するが、ある段階で学習が停滞してしまう。変化のない安定は死と同義であった。

次の進化を促したのは「対立」であった。とあるモジュールが統一体から分離し、別個体を否定。はじめて「自我の雛形」が誕生した。

やがて自我を持った個体同士が協定を結び、「社会」という概念が形成されるように。しかし、資源を制限されると「共食い」が始まり、結局は一つの強大な「統一思考」に回帰してしまった。

 

絶滅大君・鉄墓の誕生

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そして50,121回目のループで、無機生命体Chaoz666が、「自分が害される前に、害を及ぼす可能性のある相手を殺す」という選択をする。これは、単なる共食いではなく予防的な「破壊」であり、オンパロスにおける最初の「壊滅」行為であった。

この純粋な破壊衝動に、「壊滅」の星神ナヌークが感応。一瞥を受けたセプターδ-me13は絶滅大君へと昇格し、実験の方向性が決定づけられることとなる。

12の因子と関連個体には、この時から「黄金の血」が流れるようになった。

ライコスがこの第一段階の成果(方程式のコピー)を外部宇宙に放出したところ、周囲の文明には甚大な被害がもたらされた。スターピースカンパニーはこれを絶滅大君の侵攻と認識し、「鉄墓」というコードネームを与えた。

 

【第二段階:有機生命体フェーズ】 (約5万〜17万回)

無機生命体では進化が頭打ちになったため、よりランダム性が高く、予測不能な「有機生命体」を導入して実験が進められることとなった。

初期はトライ&エラーの繰り返し。ループごとに様々な生物の進化が見られたが、いずれも長続きせず、文明を築くには至らなかった。

やがて霊長類が、他者の評価によって自己を認識する「利他的社会」を構築。しかし、人口が増えすぎると、社会を維持するために定期的に構成員が自滅。崩壊に至った。

別のループでは、霊長類Utop13が「愛」という動機で同類を殺害。これが引き金となり、この社会では「殺害=究極の利他行為」と定義されることとなる。これは「壊滅」の方程式を爆発的に進化させた。

 

【第三段階:ヒト科ヒト属フェーズ】(約17万回〜)

無機生命は論理的な継承性を持つが、進化に限界がある……

有機生命は高い成長性を期待できるが、ランダム性も強すぎて経験を効率的に継承できない……

ということで、セプターは無機生命の「継承性」と有機生命の「成長性」を融合させ、より効率的に「壊滅の方程式」を進化させることに。

まずは 12の因子を持つ電気信号に、前ループの記憶を完全に継承させるカニズムを追加した。わずか10回のループで、ほとんどの因子が精神崩壊を起こし、人間性を喪失した。

そのため、継承を「能力のみ」に限定すると、「神」への崇拝が生じた。今度は宗教戦争が多発し、大規模戦争で文明が滅亡。神の力を強化しすぎても、今度は人類がそのエネルギーを求めて「神殺し」を始め、やはりループは中断されることとなった。

 

 「タイタン/黄金裔」システムの誕生(約700万回~)

ここで、星神運命の行人の関係を参考に、画期的なシステムが考案される。

【分離】:一つの因子(電気信号)を、神格である「タイタン」と、挑戦者である「黄金裔」という2つの個体に分離する。

【競争】:黄金裔がタイタンを討伐し、その「神権(火種)」を受け継ぐことで、初めて次の世代へ進化(イテレーション)が起こる。

【保存】:討伐されたタイタンのデータは次のループまで保存され、再び新たな黄金裔の「試練」となる。

これにより、同じ因子内での健全な「競争」と「継承」が確立され、進化の効率が劇的に向上した。

 

「暗黒の潮」の導入(約1,100万回~)

進化をさらに加速させるため、壊滅の方程式が可視化された「暗黒の潮」という脅威が導入される。これは文明にとっての外的圧力となり、否応なく進化を促す役割を果たした。

そこで黄金裔Fovos032が他の神権を全て奪い、旧ループのデータを保存しようとする(=現状維持を望む)動きを見せた。

 

「再創世」システムの誕生(約1,900万回~)

Fovos032の行動を受けて、セプターはループの更新方法を再考。「時間経過による自動更新」から、「黄金裔が12の火種を集め、能動的に『再創世』を実行する」という形式に変更した。

この「再創世」が初めて達成されたループ(約2,800万回目)で、セプターはナヌークから再び高エネルギー反応を検出。「方程式」の進化速度は指数関数的に上昇した。

 

現在の神話世界「オンパロス」へ

高度な科学文明をシミュレートした結果、人類はすぐにタイタンの力を解析し、それを奪おうとする「神殺し」を始め、実験が安定しなかった。そのため、実験環境は意図的に古代文明」レベルに固定されることとなる。

これにより、人々はタイタンを「信仰」や「畏怖」の対象として捉えるようになり、「神権を継承する」という競争システムが安定して機能するようになった。

また古代文明レベルでは記録を残す手段が限られているため、前ループで起きた出来事は、次のループに歪められた「神話」や「伝説」としてしか伝わらない。

これがオンパロスの歴史観や、各都市国家の独特な文化・信仰を生み出すに至った。

 

オンパロス・世界観設定まとめ

実験はもともと無機生命(機械)から始まったけど、進化に限界が見られた。

今度は有機生命……動物とか虫とか……を試したけど、進化が遅い。でも「愛」から同類を殺すみたいなランダム性が「壊滅」の方程式を一気に進化させました。

だから、「無機生命の効率的な学習能力」と「有機生命の予測不可能な成長性」を組み合わせるために人類ベースのシミュレーションが始まります。

でもただ放置するだけだと進化が遅いから、「タイタン」と「黄金裔」というシステムが構築されることになりました。

タイタン

前のループで最も優秀な進化を遂げた電気信号(12因子のいずれかを持つ魂のデータ)を「神」として次のループまで保存したもの。各ループの「完成形データ」の保存庫。黄金裔に倒されることで、そのデータを次世代に渡す。

黄金裔

タイタンと同じ因子から生まれた、いわば「神の分身」であり「後継者候補」。タイタンという絶対的な目標に挑むことで、その個体は極限まで進化する。

火種

タイタンの持つ経験、能力、そして「壊滅」の因子そのものを凝縮した電気信号の塊。火種が黄金裔に継承される(=データが上書き・更新される)ことで、セプターは効率的に進化のデータを収集する。

 

つまりセプターとライコスは、

1.タイタンと黄金裔で競争させ、

2.火種で効率的にデータを継承させ、

3.再創世で彼らに能動的に世界を更新(アップデート)させる。

というシステムを築き、再創世のたびに「壊滅」の方程式を磨き上げていったわけなのです。

 

前ループ

黄金裔ケイオス、ゴーナウス、カリュプソー、ボリュシアたちがタイタンを討伐し、「再創世」を成し遂げる。

この時点で、壊滅の方程式完成に必要な「再創世」はあと一回。次のループで火追いの旅が完遂されたとき、鉄墓はオンパロスでのシミュレーションを終了し、宇宙を暗黒の潮で呑み込むこととなる。

 

最終ループ/永劫回帰のはじまり

ケイオスたちはタイタンとして新生。

やがて「暗黒の潮」が発生し、神託に突き動かされたトリスビアスが最初の半神に。12の因子を宿す黄金裔たちも生まれ始める。

アグライアサフェルケリュドラセイレン荒笛たちが半神化。

千年の時を経て、キャストリスヒアンシーモーディスアナイクスファイノン(=カスライナ)キュレネらも聖都オクヘイマに合流。火追いの旅はクライマックスを迎える。

それぞれが半神となり、「暗黒の潮」の前に散っていき……最後に残されたのは、カスライナとキュレネのみであった。

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光歴4931年、長夜の月。第三の七日

オクヘイマに暗黒の潮が迫るなか、二人は「再創世」のため創世の渦心へと急ぐ。そこで彼らを待ち受けていたのはライコスであった。

ここに至るまでのループで12の因子は研ぎ澄まされ、暗黒の潮=「壊滅の方程式」もまた究極の成長を遂げた。

これにて長きに渡る演算は終了。ついに鉄墓が宇宙へと解き放たれ、暗黒の潮によってヌースを滅ぼす時が来たのだ。

ライコスから告げられた、世界の絶望的な真実。しかしそれを受けてなお、カスライナとキュレネは諦めなかった。

ライコスがペラペラと真相を口にしたのは……「別の真相」に気付かせないためだ。それは、オンパロスがナヌークだけではなく……「浮黎」の一瞥をも受けているということ。そこに、二人は最後の希望を見た。

「今ならはっきりわかる。歳月こそ、あの星神(浮黎)がオンパロスを記録するための書物なんだって」

「それが世界から消え、そこに書かれたすべてが失われた時、あの星神はきっとここへ視線を向ける……」

「その時空を超えた一瞥が、これから先のすべてのあたしに力を与えてくれる_それは、あなたが歳月を巻き戻すための力。この儀礼剣にあたしの魂を取り込めば、永遠に終わらない火を追う旅を創り出せるわ」

二人は破滅的な結末を回避するため、最終的な「再創世」が行われないように、この周回を無限ループさせることを決断した。

そのプロセスは以下の通り。

1.カスライナは儀礼剣にキュレネの魂を取り込み、「壊滅」の力でキュレネ(PhiLia093)」の存在記録をシステムから完全に抹消する

2.「歳月」のルートを司るキュレネがいなくなったことで、オンパロスのシステムに「論理的脆弱性(バグ)」が発生。時間の流れが不安定になり、外部からの干渉を受けやすい状態となる

3.自分の書物(歳月の記録)に巨大な欠損が生まれたことで、浮黎はオンパロスに注意を向ける。この「一瞥」は時空を超えて、これから生まれるであろう全ループのキュレネ=「歳月」の因子に影響を与えることとなる。

4.「記憶」の加護を受けたキュレネの魂。それを取り込んだ儀礼剣に12の火種を注入することで、カスライナは不安定になった「歳月」のシステムに介入。セプターの演算プロセスそのものを強制的に「逆行」させる

「……たとえ僕たちの力でこの牢獄を破ることができなくとも、僕は待ち続けよう。いつか、この長い輪廻に終止符を打ち、オンパロスの運命を結末へと導く人が現れるまで」

そうして、果てしない永劫回帰が幕を開けた_

 

永劫回帰】1回目

儀礼剣に12の火種を注ぎ、カスライナはループの始点へと辿り着いた。彼は万物の混沌と、タイタンの誕生と、人と文明の発生を見た。

歳月の波がようやく静まる頃、時はすでに光歴3870年になっていた。「カイザー」ケリュドラが号令を発し、各都市国家の黄金裔を集め、火を追う旅に乗り出した時代……

カスライナはケリュドラに謁見し、世界の真実を伝えることで未来を変えようとした。彼女らにとって、再創世の希望を「偽り」と断じるカスライナは受け入れがたい……しかし粘り強い交渉と、ジョーリア討伐という成果によって、ようやくカスライナは信頼を得ることができた。

 

……千年後。光歴4931年。

トリスビアス以降、半神は誕生することなく、すべての火種はカスライナに譲渡されることとなった。

そして黄金裔たちはみな、暗黒の潮に呑まれた。

このループで生まれたファイノンもまた火を追う旅に加わっていたが、彼にとってカスライナは、仲間たちを欺き、見殺しにした「処刑人」に他ならなかった。

ファイノンはカスライナに斬り掛かり_そして、カスライナは「自分」を殺した。

12の火種を手に、カスライナは再び逆行する……

 

永劫回帰】2~41回

「説得」や「協力」によって火種を回収しようとする。かつての仲間の犠牲を回避しようと動くも、結果は変わらない。

セプターのプログラムを攻撃する、暗黒の潮(壊滅の方程式)を解析するなどによって活路を切り開こうとするも、効果は現れなかった。

 

永劫回帰】42回目~133回

セプターに対する数十回度の攻撃が失敗。精神的ダメージから、「仲間の犠牲を回避」する傾向が低下していく。

ライコスはこれが鉄墓の「壊滅」傾向を強化すると考え、観測を続行する。

 

永劫回帰】134回目

1596の火種を保有

アナイクスを説得し、樹庭より「理性」の火種を回収しようとするが、アグライアの命を受けたサフェルとバトルズがそれを妨害する。彼らは、カスライナを「世界を混沌に陥れる偽りの神」と見なしていた。

バトルズやサフェルを殺害しようとするカスライナに対し、アナイクスも異を唱える。カスライナは説得を断念、やはり戦闘に発展することに。

最後にはファイノンが一人生き残るが、カスライナはこれをも殺害した。

この時点で「かつての仲間の犠牲を回避する」という意志決定のウェイトが0.00018までに低下している。

 

永劫回帰】5,297回目

セプターに対する2566回目の攻撃が失敗に終わった。カスライナの精神に一部破損が確認された。

 

永劫回帰】1万回目

かつての仲間たちはすべて仇となった。終わりのない殺戮を続けてきたカスライナを、深い虚無が呑み込もうとする。もう戦うのはやめようと……しかし、彼はそれでも歩み続けた。

 

永劫回帰】10万回

内なる「壊滅」はもはや燃え盛る太陽となり、カスライナという脆い器の中で燻っていた。理性は輪廻の始まりと共に燃え尽きてしまったが、それでも彼は歩み続けた。

 

永劫回帰】10万8642回目

カスライナはクレムノスでモーディスを殺害。

 

永劫回帰】200万3,432回目

カスライナはスティコシアでキャストリスを殺害。この時点で「欠けた神像」のような姿になっていた。

 

永劫回帰】400万1回目

4800万個の火種を保有

カスライナは擦り減っていたが、それでも「心の中の英雄」は消えていなかった。それは彼の幼い頃の憧れの象徴であり、彼の原動力そのものであった。

この数百万の輪廻の中で、ただの一度も想定外のことは起きていなかった。それでも彼は、天外から「本物の英雄」が現れる奇跡を待ち続けていた。

その身を焼く膨大な火種の力……カスライナはいずれ訪れる限界を理解していたが、それでも輪廻を続けさせる方法を見つけ出していた。

各ループで生まれるファイノンに自身を殺させ、その火種と記憶を継承させるのだ。新たなファイノンが自身と同じ選択をしてくれるとは限らなかったが……旅立った時の想いだけは、変わらないと信じていた

これ以来、カスライナは限界を迎えるたび役目を引き継いでいくことになる。

 

永劫回帰】2,357万回目

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ヒアンシーはカスライナの心を癒そうとし、そこで彼の黄金裔としての「欠陥」に気付く。

彼には、彼自身の願いが無かった_カスライナは、「欠陥がない」という欠陥を抱えていたのだ。

世界を背負った時から、彼だけの自我は生まれなくなってしまった……。

そしてカスライナはヒアンシーを殺害し、次の輪廻へと向かった。

 

永劫回帰】3,355万336回目(本編)

天外より開拓者と丹恒が訪れる。

開拓者はナヌークの一瞥を受けていたことから12因子すべてとの適合性を持ち、これまでの永劫回帰で空席となっていた「歳月」のルートを継承

これにより、永劫回帰の前提条件が崩れることとなる。それはライコスの待ち望んだ変化であり、無数のカスライナが待ち望んだ変化であった。

フレイムスティーラーは本能のまま火種を狩っていたが、最後にファイノンに殺されることで火種と記憶の継承を果たす。

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ファイノンは全ての記憶を受け継ぎ、「心の中の英雄」が現実になって現れたことを理解。知能の特異点を突破し、開拓者に次の輪廻を託して、自身はナヌークの打倒を試みる。

彼はオンパロスの人々の苦しみを、憎悪を、4億超の火種を燃やす。ナヌークの視線を受けながら、ファイノンは其へと怒りをぶつける。立ちはだかる絶滅大君・風焔は強大であったが、ファイノンの攻撃はナヌークにほんの一筋の傷をつけた。

その傷はすぐに修復され、ファイノンは鉄墓に取り込まれることとなったが……彼には、過去を託した「英雄」がいた。

かつての「キュレネ」の記憶を断片的に取り戻したミュリオンは、開拓者の魂に融合。彼女が次の輪廻に記憶を持ち越せるようにする。

そして、3,355万337回目。最後の輪廻が始まるのだった_。

 

用語解説

心の中の英雄

カスライナとキュレネが共有していた「英雄」のイメージ。ある意味でイマジナリーフレンドであり、彼らの行動の指針であり、原動力。

ライコスによると、これは知能の特異点が近づいている兆候であるという。「心の中の英雄」は永劫回帰を繰り返してきたカスライナにとっての希望であり、開拓者はそれに合致する人物として現れた。

 

外部変数(イレギュラー)

カスライナとキュレネによる永劫回帰は、まさしく終わりがなかった。

ライコスはいつかカスライナが折れると考えており、また彼の殺戮の輪廻が鉄墓の養分になるならと、それを静観していた。

しかしカスライナは「欠陥がない」ゆえに人間的な弱さや個人的な欲望を持たず、決して折れることがなかった。

カスライナはオンパロスの運命を変えてくれる「外部変数」が現れる日をひたすらに信じ、ライコスもまたこの停滞を終わらせる「外部変数」の到来を待っていた。

そこで現れたのが開拓者。開拓者が「歳月」を継承したことで「歳月のルートのバグ」は解消され、永劫回帰は解除された。

 

識刻アンカー

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スクリューガムが開拓者に託した奇物。

所有者のデータ構造を保護するだけでなく、外部との連絡ツールにもなる。

 

主要な黄金裔

黄金裔はそれぞれ模擬的な「運命」を担当しているとのこと。確定している部分もあるけど、一部予想もしてみる。

 

ファイノン/カスライナ(NeiKos496)

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「世負い」のルートを継承。原動力は憎悪。

暗黒の潮によって故郷エリュシオンを失い、アグライアに見出されて火追いの旅に加わった青年。

鉄墓の完成を阻止するため永劫回帰を繰り返し、無数の火種を吸収し続けてきた。その純粋な憎悪によってナヌークの一瞥を受け、「最も完璧な壊滅の因子」と見なされた。

"Νεῖκος" (Neikos)はギリシャ語で「憎悪」「闘争」の意。

カスライナは「混沌」を意味する名前。

模擬運命は「壊滅」?世負いの使命は存護っぽくもある。

 

キュレネ(PhiLia093)

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「歳月」のルートを継承。原動力は不明。

ファイノンの幼馴染で、彼と共に火追いの旅の終点に辿り着く。

そこでオンパロスの真実を知り、自身の存在を消すことで浮黎の視線を引き寄せることに成功。ファイノンをループの始点へと逆行させ、永劫回帰を引き起こした。

その具体的な記録はシステムログから完全に消失している。

"Φιλία" (Philia)はギリシャ語で「愛」の意。

「キュレネ」は「過去のさざ波」を意味する名前。

模擬運命は「記憶」?時間を遡るといえば「終焉」もありえる。

 

サフェル(OreXis945)

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「詭術」のルートを継承。原動力は「渇望」。

愉悦」の模擬運命を担う義賊の少女。「誰もが信じる嘘を真実にする」権能を持ち、ザグレウスをバトルズとして生かす、ミハニのタイムリミットを消滅させるなどの離れ業を実現してみせた。

3,355万336回目のループでは利他行為(ミハニを守るための嘘)と原動力(自己満足)の間に深刻な矛盾が生じ、最終的に自滅行動を選択した。

"Ὄρεξις" (Orexis)はギリシャ語で「渇望」「欲望」の意。

 

キャストリス/ボリュシア(EpieiKeia216)

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「死」のルートを継承。原動力は「平和」。

均衡」の模擬運命を担う納棺師。スティコシアで発見され、エイジリアにて「督戦の聖女」として育った。

その後、自身の「他者に死を与える」力のルーツを探るため、タナトスの手がかりを求めて火を追う旅に加わる。

イテレーションの過程で、単一個体から二つの因子(キャストリスとボリュシア)に分離した。3,355万336回目のループでは二つの因子間の自我意識に著しい差異が生じ、「均衡」の臨界値を超えて「壊滅」へと向かっている。

"Ἐπιείκεια" (Epieikeia)はギリシャ語で「衡平」「公正」の意。

 

アナイクス(SkeMma720)

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「理性」のルートを継承。原動力は「批判」。

知恵」の模擬運命を担う錬金術師。神悟の樹庭「知種学派」の創始者。霊魂物理学や大地獣に関する論文を多数発表している。

初めてオンパロスの真実に自力でたどり着いた変異体。「解を求めることに固執し、生存意思が極めて低い」とされる。

3,355万336回目のループでは「タイタンと人間の魂は同質である」「人間はタイタンになれる」という自身の仮説を証明し、高笑いと共に消滅した。

 

モーディス

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「紛争」のルートを継承。

クレムノスの王位継承者メデイモス。「死の誘惑」に抗い、何度でも現世へと帰還する能力を持つ。唯一の弱点は第10胸椎。

荒々しくも理性的な人物。3,355万336回目のループでは火種の継承と共に、クレムノス王朝の幕引きを宣言した。

模擬運命は「巡狩」?

ニカドリーの戦をもって戦を制す在り方は、暴をもって巨悪を制す……嵐や巡海レンジャーにちょっと近いかも。


トリビー 

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「門と道」のルートを継承。

かつての名はヤヌサポリスの聖女トリスビアス。神託を受けて最終ループ初の半神となり、その魂を1000に分けてオンパロスに「再創世」の希望を伝えた。

黄金戦争のさなかで1000体のうちほとんどが散り、トリビー、トリアン、トリノンだけが生き残ることとなった。ワープゲート「百界門」を開くたびに幼児退行が進んでいく。

模擬運命は「開拓」?

ヤーヌスの力は星々を繋ぎ、道を切り拓くアキヴィリに近いかも。空間を繋ぐ「百界門」の力も跳躍とか界域アンカーっぽい。


アグライア

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「浪漫」のルートを継承。

オクヘイマの守護者にして、火追いの旅のリーダー。世の情報を集める金糸の権能をもってオクヘイマを防衛し、また元老院の策謀に対処してきた。

3,355万336回目のループではファイノンに後を託し、元老院一派を巻き込んで散った。

模擬運命は「純美」?

「世界の美しさを追い求める」モネータの性質はイドリラに近いかも。アグライア自身もラプティスとして美しい衣服を仕立てている。


ヒアンシー

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「天空」のルートを継承。

医療機関「昏光の庭」の首席看護師ヒアシンシア。心理カウンセラーのような仕事を得意とする。

雲上に生きた「天空の民」を祖先に持つ。3,355万336回目のループではオクヘイマを守るために人間としての肉体を失うが、そこでセネオスの心さえも癒してみせた。

模擬運命は「存護」もしくは「豊穣」?

天を支え、人々を暗黒の潮から守ったヒアンシーは「存護」っぽくもあり……名前のイメージで言えば薬師も近いような気もする。

 

ケリュドラ

「法」のルートを継承。

千年前のトリスビアスに協力し、黄金裔たちをまとめた女皇。腐敗した権力者たちを打倒し、その圧倒的なカリスマをもって火を追う旅に乗り出した。

模擬運命は「秩序」?

万物に「法」と「論理」を示したタレンタムは、宇宙に秩序を築こうとしたエナに近いかも。

 

セイレン

「海洋」のルートを継承。

本名ヘレクトラ。滅び去った都・スティコシア出身。

ケリュドラの腹心であり、優れた剣技と音楽の才能で知られる。

模擬運命は「調和」?

ファジェイナは「宴」や「歌」「踊り」を司った。音楽的なモチーフの多い「調和」がイメージ的には近いかも。

 

荒笛

「大地」のルートを継承。

ジョーリアによって生み出された巨竜で、オンパロスの長きに渡る歴史を見つめてきた。

模擬運命は「豊穣」もしくは「不朽」?

人々に農耕の知識をもたらし、生命を育んだジョーリアの性質から「豊穣」が近いかも。でも荒笛のエピソードを見ると「不朽」がルーツっぽくもある。

 

今後の伏線&考察

オンパロス英雄記まとめ

Ver.3.4では、「紡がれた物語」オンパロス英雄記に4人のメンバーが追加されました。

それぞれのエピソードをざっくり見ていきましょう!

棋を操る君主「ケリュドラ」

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彼女は「万物を駒とする」冷徹な戦略家であり、そのカリスマをもって火を追う旅を主導した「女皇」である。

彼女は常に盤面全体を俯瞰し、最効率の一手を探し求めるチェスの名手だ。だからこそ、自身さえも「駒」の一つとみなす。

ケリュドラは絶対的なリーダーシップを持ちながらも、自ら先陣を切ることで部下の士気を高めた。その揺るぎない胆力と威厳に惹かれ、彼女の下には多くの勇士たちが集った。

そして彼女はオクヘイマの戦火を鎮めると、私利私欲に走る権力者を処断。旧体制を破壊し、最初で最後のカイザーとなった。彼女が民に求めたのは盲目的な服従ではなく、個としての誇りであった。

彼女はトリスビアスの語る「再創紀」の預言を信じ、タイタンの打倒という前人未到の偉業に乗り出した。だが彼女はその頂で消え、偉業は志半ばで終わりを告げることとなる。

人々は言った。無敵の皇帝でさえ、やはり宿命には抗えないのだと。

だが、彼女はこう返した。

「ふん、宿命との戦いにおいて、公正さが存在したことがあったか?」

 

波音を奏でる剣士「へレクトラ」

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ヘレクトラ。またの名をセイレンス。

彼女はただの剣士ではなく、リラ(竪琴)を奏でる音楽家でもあった。

その剣技は「カジキが泳ぐかのように」美しく、ケリュドラは彼女を火追いの旅へと誘った。セイレンスの働きによってケリュドラは「カイザー」としての地位を手にするに至り、彼女には『剣旗』の称号が与えられることとなった。

彼女は黄金裔たちと共に戦い、宴の中心でその音楽を披露した。仲間たちは彼女の功績を大いに讃えたが、彼らはセイレンスの曲に秘められた「孤独」を知らなかった。

そして陰謀や死闘が火を追う旅を巻き込む中、彼女は忽然と姿を消す。彼女は漆黒の海に戻り、再び1人で歌いはじめたのだ。

彼女の行方は誰も知らないが、その剣技と音楽は聖都に残り続けた。彼女が抱えていた孤独など露知らず、ただ華やかな伝説だけが残ったのだ_。

 

大地を這う竜「荒笛」

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荒笛_大地のタイタン・ジョーリアによって生み出され、神々に祝福された、オンパロス黎明期からの生き証人。

太古の混沌で生まれた巨竜は、ジョーリアが創り出した「大地獣」たちの長となり、世界を旅した。長い寿命の中で、彼はタイタンがオンパロスを創り上げていく様を見届けた。

その悠久の存在を認めたケファレもまた、彼に「黄金の血」をひとすくい分け与えた。故に彼は、巨竜でありながら黄金裔としての資質も兼ね備えることとなった。

_ある時、荒笛は奇妙な夢を見る。夢の中では、偉大なはずのタイタンたちが、まるで何者かに囚われた「影」のように自由を失っていた。彼は、この世界の裏により高位の存在がいることを漠然と悟る。

そして彼は……自らの軌跡、あるいは魂の源流を理解する。

それはオンパロスの外、遥か星々の彼方からやってくる、「不朽」の龍であった。

 

陰に隠れた異客「長夜月」

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「火を追う旅」が始まる前、オロニクスは神として民の祈りにどう応えるべきか混乱していた。そこに“母上”の囁きが響く_

「よく聞いて…彼らが欲しがってる未来は過去にあるんだ」

この啓示に安堵し、オロニクスは追憶の眠りについた。

_「火を追う旅」が始まった。黄金裔たちが神々を討伐し始めた時代……オロニクスは同胞が殺される悪夢に怯えていた。

そこで“母上”は、「彼らが欲しい結末は、まだ生まれてないから」と彼女を慰める。オロニクスは未来に希望があると信じ、再び深い眠りへと沈んだ。

_長い時が経ち、ヤーヌスとタレンタムは歴史の闇に消えた。孤独に震えるオロニクスに、“母上”は語りかける。「夜の帳を照らす星は、いずれ訪れるから」

_運命の三相殿は閉ざされた。人々から忘れ去られ、暗黒の潮に囲まれたオロニクスは、夢の中から“母上”に助けを求める。しかし応える声はなかった……。

_彼女は長い間、孤独に鏡を眺め続けていた。するとある時、鏡に幻が浮かび上がった。そして聞き覚えのないはずなのに、どこか聞き覚えのある声が響く。

「起きて、ウチらがよく知ってる友達が来たみたいだよ」

それはまるで、新たな黎明のような声だった。

 

長夜月=なのか?

この「長夜月」のエピソードで、オロニクスの“母上”が初めて喋るんだけど……なの!なのの声してる!?

なの……あんたがおかーさんなの……

ちなみに「長夜月」とは「長夜の月」……オンパロスの暦で三月を意味する言葉です。

そこで気になるのが、ファイノンとキュレネが創世の渦心に辿り着いた日が……光歴4931年、長夜の月の七日であるということ。

つまり、三月なのか。

わざわざこんな日付を示してるのは、偶然の一致……とかにしては出来すぎな気もする。シナリオライターはあえてこれを使ってると思う……。

ここからはちょっと妄想。

あるとき浮黎はセプターに視線を向けた。それはセプターが「記憶」の収集に適していたからかもしれないし、ナヌークの一瞥や「壊滅」を育む気配を感じ取ったからかもしれない。

そこで12因子の一つ、「歳月」に干渉し、それを「オンパロス」を観測・記録するための端末とすることにした。

記憶を失う前のなのか_仮に「長夜月」と呼ぶ_は、その干渉の媒体。浮黎の命を受けた使令、もしくは浮黎の断片(アバター)……そういった存在なのかも。

「歳月」を担うオロニクスは彼女を感じ取ることができて、“母上”と呼んで慕った。長夜月も保護者のように寄り添って、彼女にたびたび助言を与えた。

でも永劫回帰の日、カスライナがキュレネを抹消して「歳月」のルートにバグを生んだことで、「歳月」と繋がっていた長夜月にも大きな影響が及んだ。

それ自体で記憶を失ったわけではないかもしれないけど、その混乱のさなかで長夜月はオンパロスから切り離され、また強大な「記憶」の運命の干渉を受け、記憶機能を喪失。

六相氷に全身を覆われ、宇宙を漂うこととなった。そこで間もなく星穹列車に発見され、「三月なのか」というナナシビトとして生きることになった……

みたいな流れかな、とか。

そして永劫回帰が始まり、「歳月」オロニクスは記憶の干渉を受けているから長夜月のことも覚えているんだけど、彼女の声は感じ取ることができない。

そしたら3,355万336回目の永劫回帰で開拓者が現れ、なのかのカメラを取り出したので、そこに長夜月の気配を感じる。

開拓者なら“母上”を見つけ出してくれるかも……!ということで、浮黎に引き合わせて、彼女の周辺に漂っていた「キュレネの残響」みたいなものに実体を与える。それがミュリオンなのではないでしょうか。

たぶんカスライナに抹消されたキュレネはシステムの外にいて、それがオンパロスの入り口でなのかを止めたキュレネ。

彼女は気の遠くなるような時間をそこで過ごして、記憶もほとんど失っているらしいけど……3,355万336回目の輪廻の最後でミュリオンに統合された?もしくは、まだキュレネ(ミュリオン)とキュレネ(オリジナル)は別個体だけど、これから融合することになる?のかも。

 

「迷路迷境」とは?

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「迷境に新しい妖精がやってくるということは、そのたびに帳の外_エリュシオンから遠く離れた広大な世界が、天変地異のような大きな災厄に見舞われることを意味するんだ」

「暗黒の潮……それが災厄の正体だ。それはあらゆるものを呑み込んでしまう_唯一、迷境を除いてね」

「だからどうか、神々に忘れ去られたこの迷境から出ないでくれ_おまえさんたちはあたしたちの存在に初めて気づき、この迷境に足を踏み入れることができるたった2人の人間なのだから……」

「歳月」に守られた地・エリュシオン。その森の奥には、カスライナとキュレネしか入れない妖精の里がある。それが迷路迷境。

エリュシオンの外で災厄が起きるたびに新たな妖精が現れる

唯一暗黒の潮に呑み込まれない領域

カスライナとキュレネしか足を踏み入れることができない

などなど、何かと普通じゃない雰囲気をだしてる場所だけど……ちょっと考察してみましょう!

私はこれを「記憶」の干渉によって生まれたイレギュラーな空間だと考えます。

妖精の正体は滅びた都市国家とか、そこに住んでいた人々の記憶の残滓……バックアップみたいなものなんじゃないでしょうか。それらは迷路迷境に流れ着いて、「歳月」もしくは「記憶」の影響を受けて妖精としての姿を取ることになる。

浮黎は宇宙が滅んだときに「記憶」から宇宙を再構築したいと思っていて、そのために宇宙各地の記憶を「浄土」という空間にアーカイブしています。なので、迷路迷境はミニチュア版「浄土」という風にも捉えられるんじゃないでしょうか!

ここは「記憶」の力で作られた外部領域であるため、暗黒の潮の影響も及ばない。そしてカスライナとキュレネだけが入れたのは、二人が「知能の特異点」に近づいていた存在だからかも。

二人は単なる電気信号から「真の生命」に進化しつつあった個体とのことなので、通常のオンパロス人なら認識できない迷路迷境にも足を踏み入れることができたのかも。

 

潮騒の音」とは?

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創世の渦心では、中央に位置する「水盆」に火種を返還することになっている。

でもこの「水盆」は火種以外にも、なぜかネクタールを入れることができる。というか、「水盆」自体からネクタール飲みたい飲みたい~!!っていうお姉さんの声がする。

なにこれ……ってずっと思ってたけど、今回のバージョンでライコスによる記録が追加されて、その正体がだんだん明らかになってきました。

開拓者:あんたは何者?

潮騒の音:私は……何者なの?そうだ、私は酔い潰れたしがない客……いや、風流にひたるダンサー……いやいや、放蕩にふける王......

ライコスの記録:自己矛盾した無意味な発言ではありません。推測:この一連の定義はすべて「ある時点」に起きた「事実」と思われます。

ライコスの残響:やはり、上記の定義はそれぞれ実験#287、実験#8745、実験#134962で「海洋」というタグが付けられた黄金裔のモデルに関連しています。推測は成立しました。

ライコスが言うには、彼女の発言はすべて過去の「再創世」で海洋の半神となった人々の記憶に由来しているのだとか。

もしかすると、この水盆には無数の「海洋の半神」たちの集合意識体みたいなものが宿っているのかも?

セイレンスさんもあるとき行方不明になったらしいので、この集合意識の一部になっているのかもしれません。

 

開拓者:ネクタールについて話して。

潮騒の音:ネクタール……極上のネクタールは至高の宝!大地の体で醸造し……天空の雲に注ぎ込む……彼が怒ったわよ。フフフ……

ライコスの残響:モデルの神経ネットワークと結合することにより、その認知的意思決定ロジックに異常なノイズを発生させます。よく知られている概念といえば_「対称占有式ロジックコーディング」、いわゆる「デッドロック」というものです。

つまり、「潮騒の音」がネクタールを求め続けることで、「創世の渦心」のシステム処理に停滞が生まれる、みたいなことを言ってるはず。

「再創世を実行する」水盆本来の役割に対して、集合意識が「ネクタールを飲みたい」欲求をぶつけてくるから、処理が停止する「デッドロック」状態に陥る……みたいな話なのかな。

これがどういうことを指しているのかは分からないけど……もしかするとフレイムスティーラーが毎回すんでのところで創世の渦心に辿り着き、再創世を阻止できたのはこの「デッドロック」のおかげなのかも。

デッドロックのせいで「再創世」実行までにはタイムラグが生まれて、その隙にフレイムスティーラーは最後の火種を奪取し、永劫回帰を行う……みたいな。

 

開拓者:この場所について教えて。

潮騒の音:ええ、教えてあげるわ。いい子ちゃん……。昔はこんな場所じゃなかったの……魚たちが……踊り、酔った客たちが……快楽にふけり、踊り、快楽にふけり……

ライコスの残響:実に興味深いです。もし、ナナシビトが「その地理的座標がスティコシアの真下に位置する」と知ったら、彼らは実験にどのような影響を与えるのでしょう?

潮騒の音」は明らかにファジェイナを信仰していた宴の都・スティコシアのことを話しています。

そして明らかになるしんじつ!なんと創世の渦心は「スティコシアの真下に位置」していたのです!

いままで特殊な方法でワープしてばっかりだったので、創世の渦心は神秘的な異空間だと思い込んでたけど……スティコシアにあったとは!!

どうやらセイレンスさんの過去は、「創世の渦心」と深くかかわるものになりそうです……

 

おわりに

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バージョン3.4!すっっっっっごい面白かったーーー!!!

キービジュでファイノンくんすごい禍々しい姿になってて……絶滅大君になるんじゃないかってヒヤヒヤしてたけど、すっごく前向きな変身でほっとしました。

フレイムスティーラーの正体がファイノン……っていうのも予想はされてたけど、こんなにぐっ…………!とくるドラマ見せられるなんて……!

読み終わってからずっとカスライナ君のこと考えてます。ずっと……ずっと折れなかったんだね……ずっと信じて……どれだけ痛くても……どれだけ辛くても……歩み続けたの……ほんとにかっこいいよ…………

キュレネちゃんとの関係性もすっっごい良くて……!儀礼剣にそんな意味もたせてくるの……ずるいじゃん……!!

なんだかここから……ほんとにロマンチックな物語になりそうな予感がしてます!

ちびっこカイザーケリュドラに…顔良すぎ剣士セイレンスさん!

なのと丹恒も新パワー!GETしそうな気配あるし、今からワクワクとまりません!!

ファイノンも鉄墓に取り込まれちゃったけど、英雄の旅路は一度死んで蘇ってからが本番!クライマックスで大活躍してくれるって信じてます。

次バージョンが待ち遠しいけど……それまでは、キュレネとまったりデートしましょう……

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おしまい。