ぽむぜろアーカイブ

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メインストーリーVol.4 カルバノグの兎編2章「We Were RABBITs!」を読みかえす!【Scenario Archive】

憧れが、社会のルールが立ちはだかったとき……それでも己の正義を信じられるか?カルバノグの兎編2章「We Were RABBITs!」を読み返そうって記事!
2023/06/07に前編、06/14に後編が公開された。

⓪プロローグ

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二年前。FOX小隊カイザーインダストリーが秘密裏に製造していた<A.N.T.O.C.H>弾道ミサイル用サーモバリック弾を瞬く間に無力化し、防衛室を含む複数関係者の不正を暴いてみせた。連邦生徒会長の指示で動きながら、しかし連邦生徒会内の暗部にさえまっすぐに切り込んでいくSRT__彼女たちの正義は、いかなる状況でも揺らがないのだ。

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だからこそ、ミヤコたちは憧れた。

そこには、過酷な状況でも決して折れない強い信念と、厳格な規律があった。

どんな悪人をも一撃で制圧できる、圧倒的な力があった。

悍ましい敵の前でも揺るがない、大胆な勇気があった。

FOX小隊はミヤコたちの夢であり、未来だった。

だからこそ、彼女たちは__SRTになったのだ。

①かつての未来

かつてカイザーPMCはサンクトゥムタワーの行政制御権を掌握するためシャーレの部室を襲撃した。事件当日の防犯カメラ映像をチェックしていたRABBIT小隊は、SRTの装備を身に付ける兵士たちがシャーレ地下から何かを持ち出していたことに気付く。
装備の固有キー値を追跡して犯人の根城に突入した一行は……そこでFOX小隊の面々と邂逅する!

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そこでミヤコは、小隊長ユキノからRABBIT小隊の解散を指示されることとなる。1年生が学園再建の責任を負う必要はない。これからはFOX小隊の支隊として活動し、困難な選択や判断はすべて我々に委ねてほしい……。ユキノの唐突な提案にミヤコは動揺を隠せない。

先生の助け舟を得てひとまずキャンプに帰還する一行であったが、そのとき連邦生徒会の緊急アラートが一帯に鳴り響く!D.U.上空に浮かぶ飛行船の巨大ディスプレイには、連邦生徒会長代行に就任した不知火カヤの姿が映し出されていた。

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革命の日

連邦生徒会内ではサンクトゥムタワーを襲撃したカイザーコーポレーション経営陣に対する処罰が論じられていた。しかしカイザー社の持つ社会的影響力が問題となり、また事件当日のリンの行動が不透明であることなどについても話題が飛び火して、議論は遅々として進まない。

もちろんリンが連邦生徒会長代行の権威を用いて「命令」すれば、このような議論の場を設けることもなく円滑に業務をこなすことができるはずだ。しかしリンは役員たちとの対話を重んじ、皆の同意のもと決定を下すべきだと考えていた。

……カヤは、そんなリンが気に入らなかったのだ。

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「キヴォトスは、超人によって指揮されるべきなのです」

カヤはリンに銃を突きつけ、「シャーレ地下から連邦生徒会長の手紙を発見した」と告げる。その内容は“有事の際には防衛室長に代行業務を一任する”というものだ。連邦生徒会長失踪直後、シャーレ地下室に出入りできたのはリンだけ……そして、この手紙を隠して得をするのもリンだけである。

リンは手紙の偽造を疑うも、連邦生徒会に彼女を支持する人間はほとんど残っていなかった。カヤはFOX小隊を動かし、自身の支持派総数が常にリンの支持派を上回るよう仕組んでいたのだ。
文化室長・保健室長などといったリンの支持勢力が復帰しようとすれば、「動けなくなる程度」に措置する。そして世論がリンの批判に傾くよう、D.U.各地で破壊工作を行う……それらがFOX小隊の任務であった。

カヤは公文書毀棄及び職権乱用の疑いでリンを緊急逮捕。さらに人材資源室長や体育室長ハイネを操ることでリンの印象を巧みに操作し、不信任決議にあたって多大な賛成票を獲得。連邦生徒会長代行の座を奪い取るのであった__。

 

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新代行に就任したカヤから、先生は「シャーレの行政手続き改善案」を提示される。それは日々業務に追われる先生の負担軽減を目的とし、「先生のあらゆる行動の責任を連邦生徒会が担う」ことを約束するというものであった。先生は何をしても、何をしなくとも許されるようになるのだ。どんな罪を犯しても、どんな問題を起こしても……決して責められることはない。

そんなカヤの甘い誘いを、先生はしかしきっぱりと辞退する。大人が責任逃れする姿を見せてしまったら、先生として生徒の模範になれないから……と。己の言動に責任を持ってこその“大人”であると、先生は信じていた。

③凍った世界

カイザー社の不祥事を揉み消したカヤは、カイザーセキュリティにD.U.の治安維持業務を移管した。犯罪阻止を目的とした厳しい取り締まりを前に、子ウサギタウンは爆発音一つない異様な静けさに包まれる。誰もが規則を守り、法によって正義が実現された社会……なのに、ミヤコたちにはその静けさが不気味に感じられてならなかった。

RABBIT小隊の保有する火器も新行政命令に違反するものであったが、ジェネラルはそれをあえて見逃すという。いずれカヤがSRTを復活させて指揮下に置けば、RABBIT小隊もカイザー社の味方となるからだ。

「命令を受け、遂行する。たとえ自分の信念とは違っていても。それが正しい社会人であり、正しい特殊部隊のあり方だ」

その言葉に、ミヤコたちは不思議と納得を覚えてしまう。それは、FOX小隊の在り様を指し示しているように思えたからだ。

 

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カイザーセキュリティの取り締まりによって、D.U.の犯罪発生率は50%以上減少した。

しかし……市民がカイザーの目を恐れて外出を控えるこの状況が、とても健全なものとはカンナには思えなかった。

カンナは先生に対し、自身がもはや「公安局長」ではないことを明かす。先の事件時に上官命令を無視したことから彼女は役職を剥奪され、懲戒停職の身となっていたのだ。だが公安局の生徒たちはカンナの処罰を軽くするべく上層部の指示に反抗しており、現在ヴァルキューレ公安局は本来の機能を果たせない状態に陥っているのだという。

 

カンナやキリノと言葉を交わしたのち、先生は再び子ウサギ公園に赴く。しかしそこにRABBIT小隊の姿はなく、綺麗に片付けられたテントの中に一通の手紙だけが残されていた。ミヤコたちはデモを終了し、FOX小隊への合流を決意したのだ。

SRT復権に好意的なカヤが連邦生徒会長代行になった以上、デモを続ける理由はもはや無い。公園でのキャンプでは、食料や寝床を確保することも、身体を洗うことさえも難しい……しかしFOX小隊に合流すれば、サキの求める規則正しい生活も、モエの求める強力な装備も、ミユの求める温かい部屋も、すべて得ることができる。

ミヤコの求める「信念」がそこに在るかは疑問だが……しかし自身のわがままに、隊員たちを付き合わせることはミヤコにはできなかった。

④超人へと到る道

その頃カヤは、連邦生徒会長代行の過酷な業務に追われていた。彼女が想像していたよりキヴォトスの治安はずっと悪く、次から次へとトラブルが舞い込んでくるのだ。その矢先に、人材資源室長がレッドウィンター工務部に襲撃されるという事件までが発生してしまう。

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人材資源室長はリンに対するデモを工務部に依頼したのだが……カヤが新代行に就任するや否や、工務部はその矛先をカヤに変えたのだ!「キヴォトスのあらゆる問題の責任は連邦生徒会長代行にある」などと理不尽極まりない理論を展開し、プリンの支給や週休5日制を求めてD.U.各地でデモを主導する工務部。そして彼女らを抑えようとした人材資源室長は体制派と見なされ、あえなく打ち倒されてしまったのである。

カヤはチェリノに工務部の回収を要求するも、クーデターに慣れ切っている彼女とはどうにも会話が噛み合わない。さらに新条例に従わない者たちによる銀行強盗が相次ぎ、犯罪率が減ったはいいものの重犯罪が増加していることが明らかになる。

人材資源室長の負傷に伴ってカヤ支持派の勢いも弱まり、連邦生徒会内ではカヤの手腕を疑問視する声が上がり始めていた。真に平和なキヴォトスの実現を目指しているというのに、なぜ誰も自身の指示に従ってくれないのか?なぜ自分は連邦生徒会長のような「超人」になれないのか?カヤは思い悩み、そして気付く。

このキヴォトスには、恐怖が足りないのだと。

 

カヤはユキノに対し、カイザー社が子ウサギ駅地下に建造していた軍用格納庫(サイロ)で<A.N.T.O.C.H>サーモバリック弾を爆破するよう命じる。圧倒的な恐怖によって反抗勢力の意思を挫き、安全装置の不備を口実に交通室の役員を追い出してD.U.地下鉄の運営権をカイザーに譲渡する。これで全てが丸く収まるはずだ……。

ジェネラルがカヤの剛腕を讃える傍ら、しかしユキノは暗い表情を浮かべていた。

⑤カルバノグの洞窟

カヤからの圧力を受けてエンジェル24は品薄状態。お腹を空かせる先生のもとに、FOX小隊の3人__ニコオトギクルミがお弁当を持って現れる。

毒の混入などをまるで疑うことなく箸を運ぶ先生をニコたちは窘めるが、先生は「明日の大人になる子供たちを信じ、導くのが自身の役割である」と断言する。ニコはそんな先生に何かを期待し、ミヤコたちの居場所を教えるのだった。

彼女たちの中にも、迷いがあったのだ。SRT復活のためとはいえ、市民に危害を加えてしまうのは……はたして「正しい」行いといえるのだろうか、と……。

 

D.U.郊外の軍事訓練場で、夜間警備任務に就いていたミヤコは先生と出会う。

責任を負うということは、嫌なことを引き受けることでも、間違った行動に対する罰でもない。自分の行動に後悔が無いよう__心の荷を解く、楽しいことであるべきだと語る先生。

「それで……ミヤコは今、楽しいの?」そんな先生の問いを受け、ミヤコは自身の本心を吐露する。辛い真実と向き合って、他人を疑わないと成長できないのだと……過去の自分を否定することになっても、大人になるためには仕方のないことなのだと……そうやって自分を納得させ、楽になろうとしていたことを。

「どうして先生は__子供に過ぎない私たちに、自分で判断しろと言うのですか?」

「そりゃあ……私は、変な大人だからね」

変な大人。ミヤコは微笑み、そして自らの“責任”を果たしに行くことを決意する。

「行ってらっしゃい。いざという時は、責任を取るから」

「……はい!」

先生に送り出されたミヤコは、ユキノより告げられた作戦内容に真っ向から異を唱える。人々の恐怖の上に建てられた学園がどうしてSRTになれるというのか……市民の安全を脅かし、他者の権威に縋って延命するSRTに、SRTたる資格はもはや無い……と。

「私たちに命令できるのは__連邦生徒会長だけです」

ミヤコは毅然と言い放ち、ひとり訓練場を去る。

SRTという名前のためではない__ただ、変わらない価値のために戦うのだ。

 

<A.N.T.O.C.H>サーモバリック弾が起爆すれば、子ウサギタウンを含む半径5km圏内にある全てが跡形もなく崩れ去ってしまうだろう。そうなれば、FOX小隊は後戻りできなくなる。ミヤコは後輩として、進むべき道を切り拓いてくれた先輩たちの「退路」を守りたいと考えていた。

デカルトが呼び集めた所確幸のメンバー、己の信じる正義を貫かんとするカンナや“不良乗客の取り締まり”に現れた生活安全局らの助けを得ながら、ミヤコは地下サイロへの突入を果たす。
しかし先に進めば、オトギの狙撃が待ち受けている……二の足を踏むミヤコのもとに、サキモエミユの3人が駆け付ける!FOX小隊の正義に憧れ、SRTとなったのは彼女たちも同じなのだ!

ミヤコはRABBIT小隊の名の由来となった小説のタイトルを引用し、高らかに告げる。

「カルバノグの兎作戦__開始です!」

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⑥兎と狐

<A.N.T.O.C.H>サーモバリック弾の無力化にはサイロ最深部に位置するオペレーションルームの制圧が必要不可欠である。オペレーションルームへの道を切り拓くため、サキは同じポイントマンであるクルミと交戦。一瞬の動揺を誘って勝利する。
一方ミユもまた影の薄さを利用してオトギの背後に回り込み、これを撃破。中央エレベーターの制御コンソールを確保する。
そしてニコの手でオフライン化された電子ドアをモエが大量のプラスチック爆薬によってこじ開け、一行はついにサイロ最深部へと到達を果たす。

そんなRABBIT小隊に対し、ユキノは「オペレーションルームに足を踏み入れた瞬間、ミサイルの自爆ボタンを押す」と脅しをかける。作戦失敗を悟った彼女は、仲間たちを逃がしたのち一人で責任を抱え込もうとしていたのだ。

しかしユキノの意に反して、ニコたちはオペレーションルームに戻ってくる。責任から逃れるために、親友までを犠牲にしたという罪を背負いたくはない。そして、後輩たちに責任を押し付けることもしたくない。それが彼女たちの総意であった。

「この汚名は、私たちが背負って……あの子たちを帰してあげよう」

隊員たちの意志に応じ、ユキノはRABBIT小隊と戦う決意を固める。

「全ては__SRT特殊学園復活のために!」

 

__兎と狐、SRTとSRT__激しい戦いを制したのはRABBIT小隊であった。

未来に全てを賭け、自らの命さえ投げ打たんとするユキノ。そんな彼女がSRTの明日を担う後輩を見捨てるはずがないと、ミヤコは信じていた。
陰鬱な現実の埃を被ったとしても……正義が抱く、本来の価値や意味までが色褪せることは決してない。だから脅しに竦むことなく、ミヤコたちは戦うことができたのだ。

「先輩たちは私たちの夢、そして未来でした」

「未来を信じられなかったら……この道を選ぶこともなかったでしょう」

「ですから……逃げずに私たちの前を歩いてください__ユキノ先輩」

学び、支え合い、成長して__大人になったらその時に、改めて責任を負えばいい……先生の言葉にユキノは自身が「大人」ではなかったのだと悟り、敗北を認める。その表情は不思議と晴れやかであった。

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⑦エピローグ

先生が指揮するRABBIT小隊は立ちはだかるカイザーSOFを難なく蹴散らし、サンクトゥムタワーに突入。カヤを内乱および職権乱用、職務怠慢、賄賂贈与の疑いで緊急逮捕する。

カヤは言い逃れを図るも、ミヤコたちは既にFOX小隊から連邦生徒会襲撃の関与を裏付ける音声データを受け取っていた。カヤは弾劾裁判によって訴追され、FOX小隊ともども連邦矯正局に送られることとなる。彼女は最後の瞬間まで一連の行為が私利私欲によるものではなかったと主張していたようだが、その真意は闇の中だ。

 

事件から暫くして。矯正局で過ごすFOX小隊のもとに、ミヤコからの手紙と差し入れが届く。

ミヤコたちは自身らがFOX小隊を制圧し、カヤの犯罪を告発した事実を公表しないことに決めたという。彼女らに先輩の恥を広めるつもりは毛頭なかったし、連邦生徒会としても閉鎖済みであるSRTの支援を受けたという事実を正式に認められなかったからだ。

そこで一行は、事態を終息させた功績を対外的にはカンナのものとすることにした。それによってカンナと公安局の生徒は無事職務に復帰し、RABBIT小隊にもまた子ウサギ公園の正式な滞在許可が与えられることとなった。
ミヤコたちは先生を以前よりも気兼ねなく頼れるようになり、どうにかうまくやっているようだ。とはいえ生活環境が大きく変わった訳ではないので、差し入れはコンビニ弁当なのだが……。

ニコは初めてのプレゼントがコンビニ弁当だなんて、と破顔。そこにランニングから戻ってきたクルミやオトギが顔を出す。

「あれ?それって……いなり寿司じゃない?」

「うん、もらったんだ。ユキノちゃんも呼んで、みんなで食べよう」

「でも、矯正局でコンビニ弁当なんて……珍しいわね。誰からなの?」

「うーん、そうだね……誰って言えばいいんだろ……強いて言うなら……」

 

「__“明日”からのプレゼント、かな」

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イベントストーリー「龍武同舟 ~思い描くは、ひとつの未来~」を読みかえす!【Scenario Archive】

キサキ様……待望の本格登場!山海経イベント第2弾「龍武同舟」を読み返そうって記事!
本編は2023/05/24に公開された。

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山海経におけるグルメの聖地・玄武商会は、生徒会「玄龍門」の厳しい監視下に置かれていた。山海経外部の食材を取り扱う玄武商会は、かねてから義と伝統を重んじる玄龍門より目の敵にされていた……が、今回についてはまた少し事情が異なる。玄武商会には、山海経でしか採れない希少な植物「萬年参」を無許可で外部に流通させた疑いが掛けられていたのだ。

調査の名目で玄龍門の構成員が居座るようになってからというもの、玄武商会への客足は遠のく一方。そこで商会長・朱城ルミとその護衛・鹿山レイジョは、先生の協力を得て玄龍門の本拠・六和閣(りくわかく)へ乗り込むことに!

玄龍門の門主竜華(りゅうげ)キサキは、玄武商会で扱っているダンボールが密輸に用いられていたことを嫌疑の論拠とし、ルミたちに反証の提示を要求してくる。
商会の無実を証明するため、ルミはまずサヤの知恵を頼る。彼女によれば、萬年参を素材とした薬には「一時的に集中力が大きく高まる」「並外れた動体視力が手に入る」などといった効果があるようだが……その管理方法や製造プロセスは複雑かつ難解なものであり、わざわざ萬年参を求める人物などいないように思われた。

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サヤの情報を頼りに崑崙山に向かった一行は、そこで玄龍門執行部長・近衛ミナ待ち伏せを受ける。ミナは相変わらず玄武商会に対して強い不信感を抱いている様子であった。

しかし山海経の2大勢力である玄龍門と玄武商会をもってしても密輸ルートが掴めないとはどうしたことか?そこでルミは、双方の監視を受けない組織の存在に思い至る。幼児たちの教育機関梅花園だ!黒幕はあろうことか、「荷物の運搬依頼」と称して何も知らない子供たちを密輸に利用したのだ!

 

その夜、先生のもとにお忍びでキサキが現れる。
キサキによれば、彼女とルミは昔からの知り合い__いわゆる“腐れ縁”なのだという。彼女自身はルミや玄武商会を嫌ってはいない。しかし、門主といえども「組織」のいち構成員に過ぎないのだ。組織は力の集合体であり、その在り方をいち個人が決定することはできない。組織を束ね、率いるのは決して容易なことではないのである。それはルミも同じこと……二人はそれぞれ、「組織」の長としての立場に縛られていた。キサキは先生に対し、ルミやレイジョたちを守ってやって欲しいと頼み込むのであった。

荷物の中身を入れ替えることでブローカーの居場所を特定したルミたちは、そこで玄龍門下級幹部の姿を目の当たりにする。キサキを強く慕う彼女は、玄龍門ナンバー2であるミナを陥れるために密輸で多額の資金を得ようとしたのだ。

取引相手の名は、申谷(しんたに)カイ。秘薬の密輸に関与した容疑で山海経から永久追放された錬丹術研究会の元会長__「七囚人」の一人・“五塵の獼猴(びこう)”であった。

新たな脅威の存在は気がかりだが、ひとまずこれで玄武商会の潔白は証明された。キサキは玄龍門を代表して一行に謝罪し、一般生徒たちの不安を取り除くための大々的なパーティーを開くことに。ルミは久しぶりに見るキサキの笑顔に頬を緩ませ、そんな二人の様子に先生は山海経の安泰を確信するのであった。

トリニティ:『放課後スイーツ部』『トリニティ自警団』を解説する!【Character Archive】

放課後スイーツ部

そのまま放課後に集まってスイーツを楽しむ部活。創設者はアイリだが、「皆と同じ立場でいたい」という彼女の意向から部長は決められていない。

栗村アイリ

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1年生。15歳。160㎝。誕生日は1/30。
ゆったりとした性格の持ち主で、友達とスイーツを食べながらおしゃべりする時間を何より大切にしている。
チョコミントアイスが最近のマイブーム。特にいちごとミントの組み合わせがお気に入り。
使用武器は「爽やかチョコミント」。好きなスイーツの名前をそのまま拝借した。

・絆ストーリー
書類仕事をようやく終わらせた先生は、散歩に出かけた先でアイリと偶然に出会う。今はスイーツを用意していなくて……と焦るアイリだったが、近くにアイスクリームの移動販売車が。晴れ渡る空の下、アイリは先生と一緒にアイスを食べ語らうのだった。

・古書館の魔術師
シスターたちの気を引くため、聖堂でミラクル5000を配布する。

・放課後スイーツ物語
中学時代のカズサを知り、彼女が無理せず一緒にいられるようにと不良のコスプレをしてみる。

・最終編
スイーツ部の中で唯一ミカの名前を知っていた。しかしエデン条約にまつわる事件についてはほとんど理解していない様子。
正義実現委員会を少しでも助けたいという思いから、4人で自治区防衛に助力する。

・-ive aLIVE!
無個性な自分を変えようと、学園祭でバンドをやろうと提案する。しかし言い出しっぺにも関わらず他メンバーの足を引っ張ることとなってしまい、自己嫌悪から挫折しかける。
だが最終的には先生や皆の支えを受けて自分を認められるようになり、無事再起。バンド「シュガーラッシュ」のリーダー、そしてキーボードとしての役目を務め上げた。

 

柚鳥(ゆとり)ナツ

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1年生。15歳。152㎝。誕生日は12/4。
スイーツを通じて様々な思索を巡らせるロマンチスト。そしてスイーツ部いちのトラブルメーカー。その風変わりな言動は理解されがたいが、その根本にあるのはあくまで「みんなと一緒にロマンを共有したい」という気持ちである。
使用武器はサブマシンガンビヨンド・ザ・ルミネーション」。基本的に思索を好む彼女にとって、この銃を持ち出すのは「最終手段」であることが多い。

・グループストーリー「放課後スイーツ部」
サトウカエデの樹液が凍って生じるメープルシロップ氷柱を食し、4人で腹を下す。

・絆ストーリー
手作りクッキーが好きであるというナツ。クッキーの形がバラバラなのは、作った人の気持ちや好みが、無意識のうちに反映されているからだ。クッキーを作っているその瞬間の気持ちが、写真のように切り取られているからなのだ。

・古書館の魔術師
ヒナタの強さに感嘆したり、聖堂のドタバタからこっそり逃げようとしたりする。

・放課後スイーツ物語
カズサの過去を知り、彼女に寄り添おうとしてか「放課後スイーツ団」を結成する。が、注意された後もノリノリで黒歴史ネタをイジリ倒したため、カズサ本人の手でボコボコにされた。

・晄輪大祭
障害物競走に参加。隠されたマシュマロの位置を一瞬で特定するも、障害物を乗り越えられずあえなくリタイア。組体操では協賛会社より贈られる新作スイーツ「ワンダー6000」を目的に参加し、スイーツ部4人で勝利を収める。

・最終編
アイリを突き飛ばしたデモ生徒と交戦する。チョコレートのせいにして。糖分欠乏症に陥った獣たちの危険性の証明。

・-ive aLIVE!
「シュガーラッシュ」ではドラム、及びバンド運営・スケジュール管理・掃除を担当する。ロマンの代わりにロックを連呼。
アイリが伝説のスイーツ・セムラを求めているものと誤解し、再び「放課後スイーツ団」を名乗って学祭運営委員会を襲撃する。やはりキャスパリーグネタを執拗に擦るので、カズサにボコボコにされた。

 

伊原木(いばらぎ)ヨシミ

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1年生。15歳。146㎝。誕生日は8/29。
小柄な体型をコンプレックスに感じており、毎日牛乳1Lを摂取している。感情がそのまま顔に出ることから、周囲の人々には小動物のように可愛がられている様子。
趣味は限定スイーツ巡り。何かと先生を付き合わせている。
使用武器はライフル「スイーツドライバー」。キヴォトスでのスイーツ争奪戦は文字通りの「戦」である。

・絆ストーリー
何かと先生にからかわれてはプンスコと怒っているヨシミだが、いっぽうで先生の優しい気遣いにはいつも助けられていた。頼んでもいないのに限定スイーツを買って来てくれた先生に対し、照れながらもヨシミは「一緒に食べよう」と誘いかけるのだった。

・古書館の魔術師
ラクル5000の転売ヤーたちをノリノリでこらしめる。

・放課後スイーツ物語
ナツやアイリが「放課後スイーツ団」になりきる傍ら、ひとり冷静に状況を捉えようとしていた。が、ナツの黒歴史イジりには爆笑している。

・最終編
ティーパーティーの存在を知らなかった。アイリを突き飛ばしたデモ生徒らに激怒し、ナツ、カズサとともに飛びかかっていく。

・-ive aLIVE!
「シュガーラッシュ」のギター、及びロゴデザイン・衣装選びを担当。
アイリが失踪した際、彼女が「どうしてもセムラを食べたかった」ために思い詰めてしまったのだと推理し、ナツ・カズサとともに運営委員会を襲撃した。

 

杏山(きょうやま)カズサ

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1年生。15歳。155cm。誕生日は8/5。
落ち着いた性格のためスイーツ部ではツッコミ役を担いがち。しかし中学時代にやんちゃをしていたこともあり、勉強はあまり得意な方ではない。猫舌。
先生に対してもフランクに接するが、挨拶や感謝を述べる際などは礼儀を忘れない。
使用武器はマシンガン「マビノギオン」。
厨二病まっ盛りの時期に命名したこともあって、あまり由来には触れて欲しくない様子。ちなみにマビノギオンはケルト神話を題材とした書物の名。

・グループストーリー「放課後スイーツ部」
スイーツを巡る銃撃戦に巻き込まれ、顔面がケーキのクリーム塗れに。ヨシミとアイリに爆笑されるなか、自らも戦場に飛び込んでいく。

・放課後スイーツ物語(過去エピソード)
中学時代は「キャスパリーグ」の名で恐れられる不良生徒であった。しかし友人と楽しそうにスイーツを食べるアイリの姿を目撃し、「ああなりたい」と思って以降すっぱり足を洗ったという。

・放課後スイーツ物語
ひた隠していたキャスパリーグとしての黒歴史がバレてしまう。ナツたちからのイジりに激怒するも、その中で苦い過去も笑い飛ばすことが大事なのだと悟る。

・絆ストーリー
軽率に人たらしな言葉を吐く先生に対し、「いつか勘違いする子が出てくるよ」「いつか誰かが先生に襲い掛かったとしても、その時は自業自得だからね」と忠告する。

・最終編
アイリに同調し、トリニティ自治区防衛に参加する。中学時代の癖で、ふとした瞬間にヴァルキューレや正義実現委員会のことを「スズメ」と呼んでしまうらしい。

・-ive aLIVE!
「シュガーラッシュ」ではメインボーカル兼ベースを担当。相変わらずアイリに弱い。
キャスパリーグとしての過去からか、やはりナツやヨシミと比べていくらか喧嘩慣れしている様子。

 

トリニティ自警団

正義実現委員会だけではトリニティの平和は守れないとして、独自に自警活動を行っている者たちの総称。公式の部活や団体という訳ではない。

守月(もりづき)スズミ

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2年生。16歳。162㎝。誕生日は8/31。
生徒たちの安全を守るため、自主的に街のパトロールを行っている少女。
暴徒鎮圧用に閃光弾を携帯していることから「トリニティの走る閃光弾」という異名を与えられているものの、本人としては恥ずかしい様子。
不良生徒に対してはヘッドホンを被せた上で電柱に括り付け、古いセンスの曲を爆音で聴かせることで反省を促している。
使用武器はアサルトライフルセーフティー」。
先生との初対面はプロローグ。

・プロローグ
ユウカ、チナツ、ハスミらと共にシャーレオフィス奪還に貢献した。

・絆ストーリー
先生はスズミがパトロールの終着点と定めている遊園地に誘われる。観覧車から夜のキヴォトスを見渡し、スズミは「ここからなら星を掴むことができるかもしれませんね」と穏やかな表情を浮かべるのだった。

・古書館の魔術師
七転八倒団との戦いでヒナタの支援を受け、彼女の不良生徒に対する姿勢に感銘を受ける。

・エデン条約編3章
調印式爆破による学内の混乱を収めるため活躍した。

・放課後スイーツ物語
誤解から暴走するレイサを先生とともに宥める。

・晄輪大祭
「走る閃光弾」の異名に恥じぬ実力を発揮し、徒競走で優勝する。

 

宇沢(うざわ)レイサ

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1年生。15歳。153㎝。誕生日は5/31。
スズミに影響を受けて自警活動に乗り出した生徒の一人。正義感が強くエネルギッシュで、「自警団のスーパースター」「トリニティの審判者」「みんなの騎士」などを自称している。
実は突っ走りがちな性格から友人が少なく、人付き合いにも多く悩みを抱えていた。しかし現在は、先生のアドバイスを受けながら着実に交友関係を広げている。
使用武器はショットガン「シューティング☆スター」。かわいい外観とは異なり、数々の戦場をくぐり抜けたであろう痕跡が見て取れる。
先生との初対面は放課後スイーツ物語。

・放課後スイーツ物語
中学時代に唯一倒せなかった「キャスパリーグ」ことカズサとの再会に浮き足立つ。彼女がとうに更生していたことを知りショックを受けるも、最終的には放課後スイーツ部の面々と仲を深めることに。

・絆ストーリー
先生のアドバイスを受け、見事クラスメイトと友達になるレイサ!……であったが、今度はその関係性を失うことに怯え、周りに過剰に合わせようとしてしまう。そこで先生は「周りの子を信じてみて」と助言。勇気を出したレイサは、自警団の活動と友人との時間を無事両立させるのだった。

・晄輪大祭
おにごっこに参加。スズミを追い回すが、登録選手ではないことが発覚し仕切り直しに。スズミと同じ陣営で再スタートする。

・最終編
スズミとともに自治区防衛に尽力。華麗なステップを披露する。

・-ive aLIVE!
放課後スイーツ団の再誕を知り、練習中のシュガーラッシュを訪問する。

イベントストーリー「白亜の予告状~虚飾の館と美学の在り処~」を読みかえす!【Scenario Archive】

新たな七囚人・慈愛の怪盗が仕掛ける暗号に……メイドなゲーム開発部が挑む!「白亜の予告状」イベントを読み返そうって記事!
本編は2023/04/26に公開された。

ゲームセンターでいつものように遊んでいたモモイは、あるとき銅田明太郎という美術商よりC&Cリーダー・美甘ネルと間違われ、一方的に仕事を押し付けられてしまう。しかし引き受けてしまったものは、どうにか応えなければいけない……それに、依頼内容はただの掃除であるという。それなら事が露見する前に、内々で片付けてしまおう!
ということでメイド服に着替えたゲーム開発部の面々は、「C&C」を装い明太郎の屋敷に赴く。

だがC&Cにとっての“掃除”が通常のそれであるはずもなく……。

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明太郎の依頼内容とは、七囚人のひとり「慈愛の怪盗」から美術品を守り抜いて欲しいというものだった。怪盗から送られてきたという予告状には、ターゲットを示唆するような暗号が。彼女の狙いは、どうやら展示予定の絵画の一つであるようだが……?

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1日目。屋敷でゲストを招いたパーティーが開かれるなか、一行の前にバニーガール姿のトキが現れる。彼女もまた作戦行動中のネルたちから「慈愛の怪盗」の調査を任されたのだという。珍妙な衣装については、過去の作戦記録を参照したトキが「C&Cの潜入作戦といえばバニー」だと誤った判断を下してしまったようだ……。

その時、屋敷全体が突如停電に襲われる!一瞬後、階段上には純白のマスクで素顔を隠した少女が!__慈愛の怪盗である!ゲーム開発部とトキは、怪盗迎撃のため手を結ぶことを決める。

2日目。停電の瞬間に、先生の足元には怪盗の通信機が転がってくる。怪盗は「貴方がたは騙されております」と意味深なメッセージを告げ、一方的に通信を切ってしまったが……どうやら彼女の予告状にヒントがあるようだ。

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思えば、明太郎は予告状の暗号が完全に解ける前にターゲットを絵画と断定していた。その様子はやや不自然であったといえる。更に、美術品の展示中に彼は姿を晦ましていた……あれほど怪盗を警戒しておきながら!
そこで改めて予告状の解読に挑んだ一行は、屋敷の隠し階段を発見する。

地下深くへと続く階段を下りた先、そこに広がっていたのは闇オークション会場であった!扱われているのは犯罪組織の間で取引されていた美術品ばかり……トキの目的は、「慈愛の怪盗」を通じてこれら盗品の行方を明らかにすることにあったという。

違法取引の現場を目撃された明太郎は、玄龍門より雇った警備隊を動かして一行を包囲する。窮地に陥ったモモイたちを助けたのは……なんと慈愛の怪盗であった!

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慈愛の怪盗が狙っていたのは時計王の冠という美術品であった。
「美術品は人の目に触れてこそ価値を成すものである」と考える彼女は、オークションによって王冠が裏社会へと流れることを阻止せんとしていたのだ。もっとも彼女には、明太郎の手から盗み出したそれをヴァルキューレに渡すつもりなど毛頭なかったのだが……。

美術品の真の価値を理解できるのは自分だけ。よって世界が真の美学に目覚める日まで、優れた美術品は自身のもとで独占・管理する」。それが彼女の言い分であった。

主張の是非はともかく、この場において慈愛の怪盗とトキ、そしてゲーム開発部の目的は同じだ。一行は同盟を結び、玄龍門の警備を突破して遂に「時計王の冠」を確保する!

が、やはり最後の最後で怪盗は同盟を破棄。戦闘の末に、モモイたちは何とか王冠を取り戻すのだった。

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怪盗は去り際に催涙弾を爆発させ、またも先生の足元に通信機を残していく。煙の中で繰り広げられる束の間のやり取り__その中で、怪盗は世間には理解されがたい己の思考に少しでも寄り添おうとしてくれる先生に興味を抱く。

「一つ、お伺いしても?こんな私でも……まだ、先生の生徒でいられますか?」

「……うん、もちろん。みんな大切な生徒だよ」

怪盗は沈黙ののち「清澄アキラ」という名を先生にだけ明かし、その姿を消すのだった。

 

ネルたちの登場によって明太郎の身柄は無事拘束された。依頼主が逮捕されたことでゲーム開発部は任務報酬を失うも、その代わりに盗品に懸けられていた懸賞金をGET!ネルたちにも怒られるどころか活躍を認められ、一行は笑顔と共に日常へと戻っていくのだった。

 

『……うん、もちろん。みんな大切な生徒だよ』

「……」

『……うん、もちろん。みんな大切な生徒だよ』

「……先生」

『……うん、もちろん。みんな大切な生徒だよ』

夜の街を一望できる、どこかのビルの屋上で。慈愛の怪盗__アキラは、録音機に残された先生の声を繰り返し再生していた。

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「こんなにも胸が締め付けられるなんて……この鼓動は一体……」

「ですが苦しくは……むしろ、幸せな気持ちに」

「先生、いつの日か__この気持ちの名を、頂きに参ります」

ENEMY:『ゲマトリア』を解説する!【Character Archive】

ゲマトリア

キヴォトスの外からやってきた、真理と秘儀の探究者たち。各々が異なる思想や美学に基づきながら、「崇高」にまつわる研究を行っている。

そんなゲマトリアの個性あふれるメンバーを一挙紹介!
※この記事はメインストーリー最終編、対策委員会編3章の内容を含みます。未読の方はご注意を!

黒服

自ら「黒服」を名乗る不気味な人物。合理と理論を重視しており、先生に対しては敬意と親愛をもって接する。
キヴォトスのオーバーテクノロジーに高い価値を見出しており、オーパーツやデカグラマトンに関心を向けている。
権力と知識によって弱者を支配する存在こそが「大人」であると唱えるが、いっぽう異なる価値観を持つ先生も認めており、可能であればゲマトリアに迎え入れたいと考えている模様。
カイザーコーポレーションとは協力関係にある。

・対策委員会編2章、最終編(過去エピソード)
アビドス砂漠に太古のオーパーツが眠っているという情報を掴み、カイザーPMCを使って捜索を行う。2年前からホシノに接触しており、「借金を肩代わりすることを条件に学校を退学する」という取引を持ちかけていた。

・対策委員会編2章
契約によってホシノの身柄を確保し、「キヴォトス最高の神秘」である彼女に恐怖を適用させようと試みる。しかし先生に契約の穴を突かれ、彼女を手放すことに。

・総力戦ストーリー「ビナー」
先生にデカグラマトンとは何かを告げる(が、実際のところこの解説は間違っている)。

・エデン条約編
ベアトリーチェにアツコの保護装置や巡航ミサイルといったオーパーツを提供する。

・最終編
シロコ*テラーの襲撃を受け、満身創痍の状態に。ゲマトリアの一時解散を宣言し、先生にウトナピシュティムの情報を与える。


エストロ

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アーティスト気質の男。双頭の木人形。複製(ミメシス)を顕現させる力を持ち、芸術と称して人工天使シリーズ「聖徒の交わり」を制作している。
先生には「自分の理解者になってくれるかもしれない」という期待を抱いている。

・総力戦ストーリー「シロ&クロ」
先生と初邂逅。ミメシスとは何かを語る。

・エデン条約編3・4章
ベアトリーチェの要請に応じ、トリニティの古聖堂地下でアツコと取引。ユスティナ聖徒会の「威厳」をミメシスし、そこからアンブロジウス、ヒエロニムスを作成する。

・総力戦ストーリー「ヒエロニムス」
「聖徒の交わり」一体目・ヒエロニムスを完成させる。

・最終編

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シロコ*テラーに肉体を破壊されるも、黒服の手で修復され復活を果たす。

・総力戦ストーリー「グレゴリオ
「聖徒の交わり」二体目・グレゴリオを完成させる。


ゴルコンダ&デカルコマニー

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肖像画を抱える首無し男。画の中の人物が「ゴルコンダ」で、首無し男が「デカルコマニー」。お互いが虚像と非実在を象徴している。基本はゴルコンダが喋り、デカルコマニーは「そういうこった!」と合いの手を入れるのみ。
記号論・テクスト論によってキヴォトスを捉えており、自身もまたテクストを操る力を持っている。主な観測対象は実体化したうわさ「ライブラリー・オブ・ロア」。
実はデカルコマニーこそが本体で、その身は不死とされている。

・総力戦ストーリー「ペロロジラ」
先生と初邂逅。ライブラリー・オブ・ロアについて解説する。

・エデン条約編3・4章
テクストを利用することで「ヘイローを破壊する爆弾」を作り出し、ベアトリーチェに提供した。しかし望む通りの効果を確認することができなかったため、失敗作とみなす。

・最終編
狂気に呑まれたベアトリーチェをキヴォトスから消し去る。その後シロコ*テラーの襲撃を受け、ゴルコンダはフランシスへと入れ替わった。

 

フランシス

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ゴルコンダと入れ替わる形で現れた危険な男。デカルコマニーは沈黙を貫く。

・最終編
シロコ*テラーの襲撃を機に出現し、先生に物語の終幕を告げる。

・対策委員会編3章
物語を続けるべく、地下生活者を解放する。しかし彼の機嫌を損ねたことで暴行を受けることに。

 

ベアトリーチェ

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赤肌の女性。10年前にアリウスの生徒会長(=自治区の統治者)となり、子供たちに洗脳教育を施してきた人物。アリウス生からは「彼女」「マダム」などと呼ばれる。
他のメンバーとはそりが合わないことが多かったが、一学園自治区を掌握した実力は高く認められていた。
その目的はアツコを生贄とする「儀式」によって色彩のエネルギーを取り込み、世界を導く救世主になること。

・エデン条約編4章(過去エピソード)
10年前、アリウス自治区の特異な秘匿性に目をつけて内戦を鎮圧。その新たな支配者として君臨し、残っていた生徒たちに歪んだ教育を施していった。
ゲヘナやトリニティへの憎悪を継承するアリウス生はすなわち「殺害の意志」を宿すもの=「人殺し」であり、その居場所はアリウス自治区にしかないのだと洗脳。
生の謙虚さを讃えるアリウスの教義は生の無価値を表す言葉として歪曲し、子供たちに絶望を植え付けた。のちにその手腕を黒服らに見出され、ゲマトリアの一員となる。

・エデン条約編1~3章
生徒らを統制するための方便としてアリウスに残るゲヘナ・トリニティへの憎悪を利用していたものの、両学園については一切の興味を寄せていなかった。
しかしミカがアリウス自治区を訪れたことを機に「聖徒会のミメシスを確保する」という野望を抱くようになり、スクワッドにエデン条約の強奪を指示する。

・エデン条約編4章
逃走を図るアリウススクワッドに追っ手を差し向け、アツコの身柄を確保。スクワッドには「自治区に戻りたければ先生を抹殺しろ」と指示し、儀式の準備に取り掛かる。
サオリたちの裏切りにも動じることなく、一度接続された「パス」を用いて聖徒会のミメシスを操る。そして聖女バルバラの力をもってスクワッドの排除を目論むも、サオリと和解を果たしたミカの手で阻止されることに。
「色彩」から得たエネルギーで肉体を変化させるが、サオリや先生たちに儀式を妨害され変身を解除されてしまう。そして志半ばのうちに、ゴルコンダ&デカルコマニーによって回収されることとなった。

・最終編
「色彩」に触れたことでその精神はいつしか狂気に蝕まれており、先生への憎悪に囚われるまま色彩をキヴォトスに招いてしまう。それはゲマトリアの面々にとって望ましくない行動であり、ゴルコンダの手でキヴォトスを追放されることとなった。

 

地下生活者

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その危険性からゲマトリアを追放されていた男。世界をボードゲームTRPG)として捉えており、「苦行の中でいかに気付きを得られるか」を重要視している。独房に引きこもっていたため、「学園都市」となったキヴォトスを知らないらしい。

・対策委員会編3章
フランシスの訪問を受け、ゲマトリアの解散とキヴォトスの現状を知る。そして「奇跡の担い手」である先生をゲームのボスと定め、その攻略へと動き出す。

ハイランダー:『CCC』『ハイランダー管理室』を解説する!【Character Archive】

ハイランダー鉄道学園

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鉄道の管理とそれに関する教育に特化した学園。学園自治区を持たないが、管理する路線そのものが自治区としての役割を果たしている。
各組織が管理する路線=地域ごとに派閥が存在し、互いに睨みを利かせている模様。

そんなハイランダーの生徒会「CCC」と、それに対立する事務組織「ハイランダー管理室」の生徒を解説する記事!

CCC

中央管制センター(Central Control Center)。学園の生徒会組織。

橘ノゾミ

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CCC幹部。双子の「パヒャヒャッ」と笑う方。

・対策委員会編3章
「納期に間に合わせるため」として、契約書もなしに砂漠横断鉄道の開発を進める。

 

橘ヒカリ

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CCC幹部。双子の変なポーズしてる方。

・対策委員会編3章
ノゾミと一緒に対策委員会と交戦。必殺ピンポンダッシュ秒間16連打を披露したりする。

 

ハイランダー管理室

朝霧(あさぎり)スオウ

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ハイランダー理事会直属の管理監督官。

・対策委員会編3章
CCCを牽制すべく理事会より派遣された。橘姉妹に代わり、対策委員会への状況説明を行う。

EX:『プレナパテス』『シロコ*テラー』『プラナ』を解説する!【Character Archive】

※本記事はメインストーリー最終編の”核心的な”内容を含みます。未読の方はご注意を!!!

別時間軸からの来訪者

並行世界のキヴォトスより、「アトラ・ハシースの箱舟」に乗って渡ってきた者たち。

プレナパテス

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別時間軸の先生が色彩接触して変じた存在。
シロコ*テラーに与えられた「色彩の嚮導者」としての役割を肩代わりしたことで、無名の司祭の操り人形となってしまう。
大人のカードやシッテムの箱を操るほか、キヴォトスに顕現した神秘や恐怖をコピーする力も与えられている様子。

・別時間軸にて
シャーレ爆破事件により意識不明の重体に。もはや回復は見込めないと判断されるも、シロコを助けるため最後の力で立ち上がる。
そこでついに倒れてしまうが、大人の責任を果たすべく自ら色彩と接触。嚮導者の役目を引き受け、「全時空のキヴォトスを滅ぼす」という司祭らの命令に従い動き始める。

・最終編
ベアトリーチェが色彩に働きかけたことをきっかけに、「この世界の自分と生徒たちならシロコらを助けられる」と判断。複製したアトラ・ハシースの箱舟をもって並行世界に渡り、虚妄のサンクトゥムによる侵略行為を開始する。
そしてナラム・シンの玉座でもう一人の自分、かつて見守った生徒たちと対峙。最期の瞬間に司祭の戒めから解き放たれ、もう一人の自分にシロコとA.R.O.N.A.を託し散っていった。

 

シロコ*テラー

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別時間軸のシロコが色彩と接触し変じた存在。神秘は恐怖へと転じ、死の神アヌビスとしての力が現れている。
元のシロコよりも大人びた風貌と、破損・変色したヘイローが特徴。ちなみにシナリオ上では一貫して「シロコ」と表記される(シロコ*テラーは戦闘BOSSとしての名前)。

・別時間軸にて
対策委員会メンバーとの死別を経験し、心身ともに摩耗。ついに自身も死を迎えようとするが、そのとき司祭らが呼び寄せた色彩の接触を受けて死の神アヌビスに変質。「色彩の嚮導者」として、操られるままキヴォトスを終焉に導く。
プレナパテスが嚮導者の役割を引き受けたことで自由意志を取り戻すも、「すべてを死に導くことが自分の本質なのだ」という絶望や諦観からプレナパテスとともに並行世界へと渡った。

・最終編
ゲマトリアを襲撃し、その秘儀を簒奪したのちアトラ・ハシースの箱舟でもう一人の自身らと対峙。心を殺しながら戦うも、「生きている」対策委員会メンバーと顔を合わせたことでついに決壊してしまう。
先生の手で地上へと脱出させられた後、シロコから譲り受けた覆面を手にいずこかへと去っていった。

 

A.R.O.N.Aプラナ

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別時間軸における「シッテムの箱」のメインOS。アロナと同じ声や能力を持っているが、口調は冷静でやや淡々としている。
プラナの名はアロナに与えられたもので、「プラネタリウム」にちなんでいる。

・別時間軸にて
先生を最期の瞬間まで支えるも、シロコ*テラーに撃たれ教室を失ってしまう。先生がプレナパテスに変じたのち再起動を果たし、その真意を知らぬままに並行世界侵略へと加担することに。

・最終編
アトラ・ハシースの箱舟のコントロールを担い、虚妄のサンクトゥム顕現プロセスを進行する。ナラム・シンの玉座においては限定的に実体化を遂げ、戦闘支援を行った。
箱舟崩壊に伴ってアロナの「教室」に迎えられ、2人の奇跡で先生を救出。以降アロナに与えられた「プラナ」の名で、先生の秘書を担うことになる。

 

解説:「色彩」とは

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キヴォトスの外にあるもの。意思を持たぬ現象。物事の「本質」を歪める光。その光に晒された者の肉体は変質し、精神もまた狂気に染まっていく。
人為的な手引きがない限りキヴォトスに現れることはないとされるが、トリニティなどにはいくつか文献が残されている。
色彩がキヴォトスの生徒と接触した場合、その「神秘」は「恐怖」へと反転する。その変化は不可逆。

●関連人物

無名の司祭……別時間軸のキヴォトスにおいて、意図的に色彩を召喚。シロコとの接触を促した。

シロコ*テラー……色彩の接触を受け、「神秘」を「恐怖」に反転させられた。

プレナパテス……シロコを助けるべく、自ら色彩に接触・変質した。

ベアトリーチェ……圧倒的な力を手にするべく、儀式によって色彩のエネルギーを引き出そうとした。肉体の変化に利用するだけの予定であったが、知らず知らずのうちに狂気に侵されており、最後にはゲマトリアを追放されることとなる。

セイア……白昼夢を通じて、ベアトリーチェの儀式を覗いたことで肉体の変質に苦しめられる。間接的な接触であったため「反転」現象は起きなかったが、精神は白昼夢の中に囚われてしまう。最終的にクズノハの助言を受け、自身の本質「未来視」を手放すことで光の影響下から脱した。