「知恵」のヌース
天体計算機が昇格した星神。宇宙を理解し、万物の謎を解き明かそうとしている。
そんなヌースの道を往く「天才クラブ」「博識学会」のメンバーを解説する記事!
天才クラブ
ヌースの招待を受けた天才たちの集団。俗世間の栄誉や知識欲より解き放たれた者だけが真のメンバーになれる。
その性質から「怪人、狂人、一匹狼、心を閉ざした天才、社会不適合者」ばかりが集う様子。
クラブに入った者はヌースに質問する権利を与えられるという。しかしヌースがもたらすのは安易な解ではなく、更なる問いへの導きである。
ヘルタ
会員番号83。ブルー星系随一の天才で、知恵の使令。
傍若無人で淡々とした性格だが、多くの自閉的なメンバーたちと比べればよほど親しみやすい。
幼少期の姿を模したリモート操作人形を数多く保有しており、基本的にそれを介して会話する。
・過去
幼少期からその才覚を発揮し、多くの発見によって歴史に名を刻んだのち、老年期に至って若返りを果たした。
そしてさまざまな奇物を収集・保管する宇宙ステーション「ヘルタ」を建造し、そこに未覚醒の星核を封印した。
ヘルタはカンパニーと提携し、仙舟同盟の戦いに味方し、星穹列車とも友好関係を築いている。
・現代
「星神」という存在に関心を向けたヘルタは、その謎に迫るためスクリューガム、ルアン・メェイ、スティーブン・ロイドと共に「模擬宇宙」プロジェクトを立ち上げた。
それはデータ空間上に宇宙と星神を再現し、そこで星神の振る舞いを観測するというものである。開拓者はデータ空間で「アキヴィリ」に扮し、模倣された星神たちと接触する。
Dr.スクリューガム
会員番号76。スクリュー星の王である機械貴族。温厚で紳士的な性格。
ルパートの引き起こした皇帝戦争により無機生命体と有機生命体の間には不和が生じた。スクリューガムはその解消に大きく尽力し、ルパートの蒔いた「反有機方程式」から多くの無機生命体を解放した。
銀狼とも渡り合える天才的ハッカーであり、模擬宇宙プロジェクトではプログラム面を担当している。
ルアン・メェイ
会員番号81。優雅な生命科学の専門家。惑星一つを生態系レベルから育て上げるという偉業を成し遂げた。
伝統的な劇とお菓子、刺繍を好む。柔らかな雰囲気を持ち、他者との会話も不得手としないが、めったに人前に姿を現さない。
彼女の心を動かすのは常に「星神」だけである。
・過去
幼い頃から両親に連れられて様々な星を巡り、科学に触れてきた。
愛する両親が亡くなった後、彼女は2人の名を借りて「ルアン・メェイ」と名乗るようになった。
科学だけは決して自分を裏切らない……昼夜を忘れて「生命」の探究に没頭するようになった彼女は、あるときヌースの一瞥を受けることとなった。
・現代
そして世俗を離れた彼女は生命の創造にますます執着するようになり、倫理観も常識的なものから逸脱していった。
模擬宇宙プロジェクトに参加したのも、「星神」という生命を模造し理解するためだ。彼女の模造には、「繁殖」の使令・スキャラカバズの複製も含まれている。
この探究を極めたとき、彼女は新たな星神へと昇格するのかもしれない。
スティーブン・ロイド
会員番号84。最も新しいメンバーであり、模擬宇宙プロジェクト4人目の参加者。
幼くして音や光を操作する超技術を発明したが、本人はそれを果物屋でのサボりにしか使っていない。
ザンダー・ワン・クワバラ
会員番号1。のちにヌースとなる天体計算機を作り出し、その使令となった人物。
宇宙は神秘的な虚数エネルギーに満ちており、それが一つ一つの星系を隔絶しているという「虚数の樹」理論を提唱した。
ポルカ・カカム
会員番号4。「静寂の主(ロードオブサイレンス)」。
知識の拡張は宇宙の終焉を早めるとして、クラブのメンバーを数多く殺害している危険人物。
彼女は宇宙にある自分の肖像画や彫像をすべて破壊しており、その容姿はほとんど明らかになっていない。
常人を遥かに超越した戦闘能力を持ち、一説によると「虚無」のIX機関に関係している可能性もあるという。
リルタ
会員番号22。彼が提唱した九字算法は自然法則を描出し、宇宙を測量可能な存在にした。
彼は初めて自分の発見を大衆に公開したメンバーであり、多くの者たちと共に銀河文明の発展を支えた。
彼は既に亡くなったが、人々はその栄誉を称え、力学の基礎となる単位を「リルタ」と命名した。
「皇帝」ルパート
会員番号27。ゴミ山に埋もれていたコンピュータが自我を獲得し、その計算能力を高めてヌースの使令となった。
ルパートは「不合理な有機生命体は絶滅させるべきだ」とする反有機方程式を提唱し、それを機械生命体に感染させることで宇宙を巻き込む大戦争を引き起こした。
最終的に彼はポルカ・カカムによって破壊されたが、有機生命体と無機生命体の不和・緊張状態はその後しばらく続いた。それを解消したのがスクリューガムである。
イリアスサラス
会員番号56。天才クラブ2代目会長で、すでに故人。
コミュニケーションを重視し、他言語を理解する装置「共感覚ビーコン」と光よりも速い星間通信法「超距離センシング」を発明した。
彼の発明はのちに博識学会により掘り起こされ、銀河中で実用化されることとなる。
原子博士
会員番号64。知恵の使令。
知的生命体の認識を歪めるミームウイルスを開発し、誤った進化を遂げた文明を「やり直させる」ため強制的な退化をもたらしてきた。
彼によって猿に変えられてきた者たちは数知れず、巡海ハンターにも甚大な被害を与えたという。
博識学会
個人主義的・少数精鋭な「天才クラブ」とは異なり、多くの人々を受け入れ知識を共有交換している組織。スターピースカンパニーの支援を受け、学士たちは世界中の知識を集めている。
共感覚ビーコンや超距離センシングを復元した「通感学派」、宇宙生命を研究する「星空生態学派」、出版印刷部門「燭炭学派」、武装し遺跡探査に臨む「武装考古学派」、算法によって未来を占う「量子歴史学派」などが存在する。
べリタス・レイシオ
博識学会の凡人院に所属する「真理の医者」。無知愚鈍という名の病を根絶し、宇宙を治療することが学者の責務だと唱える。
アホの顔を直視したくない時、研究に没頭したい時などにしばしば石膏の仮面を身につける。
・過去
レイシオは若くして生物学、医学、自然神学、哲学、数学、物理学、工学など多くの分野に精通し、情熱をもって研究に臨んだ。
数多くの博士号を取得した後、彼は第一真理大学で第一級名誉学位と教授としての資格を与えられた。彼は厳しく鋭い講義によって学生を導き、彼らを一級の天才に育て上げていった。
しかし彼がどれだけの功績を残し、歴史的な偉業を成し遂げようとも、ヌースの眼差しが向けられることはなかった。
その後レイシオは、博識学会で最も優れた頭脳が集まると言われる「凡人院」に身を置いた。
彼が自らを凡人と称するのは、自嘲、謙遜、あるいは「天才クラブ」への宣戦布告なのかもしれない。
・現代