「調和」のシペ
過酷な宇宙の法則に立ち向かうため、複数の天体世界が「調和」の名のもと統合して生まれた星神。千の顔を持つ。
そんなシペを信奉する「ファミリー」と娯楽都市「ピノコニー」、そして秩序のエナを解説する記事!
ピノコニー
惑星そのものがホテルになっている「宴の星」。
客室に設置されたドリームプールで眠ると、共感覚夢境と呼ばれる夢の世界に潜ることができる。
その運営は「調和」の派閥・ファミリーによって行われている。
・過去
かつてのピノコニーはスターピースカンパニーが建設した監獄星であった。
数多くの囚人がここに移され、「憶質」の流出口を修理するという危険な労働を課された。
過酷な労働の中で、憶質に被爆した囚人たちの意識は一つの夢境で繋がるようになっていった。この夢境は、彼らに「自由」を与えた。
そしてピノコニーに星核が落ちたことをきっかけに、囚人たちはカンパニーへの反逆を決意した。
ナナシビトや弔伶人、仮面の愚者、厄災前衛もこの独立戦争に助力し、ついに囚人たちは真の自由を勝ち取った。
しかしナナシビトがピノコニーを離れている間、星核は覚醒を果たしてしまう。星核の封印方法を知っていたファミリーはピノコニーを訪れ、やがてその統治者として君臨した。
ファミリーはピノコニーを12の夢境からなるリゾート地に改造し、その名を銀河に知らしめた。
ファミリー
シペを信奉し、調和と平等を歌い広める者たち。アスデナ星系のファミリーは主にピノコニーの管理・運営を行っている。
調和衆弦
シペの一側面が顕現したもので、「調和」の使令として扱われる。
ファミリーにおいて数多の音を調和させる者は「調弦師」と呼ばれ、これら化身の依代となることができる。
判明している化身は以下の4体。
「エターナリオン」衆命のアイリネフ
「和音劇場」衆唱のコンスタンティナ
「至福の舞踏会」衆楽のベアトリス
ピノコニーの5大クラン
オーク家
ピノコニーの政治と管理を担うクランであり、五大クランの指揮者。
ロビン
ヘイローと羽を持つ天環族(てんかんぞく)の少女。銀河に知られる調和の歌姫。
・過去
星核の災害によって親を失ったサンデーとロビンの兄妹は、ファミリーのもとに引き取られた。
そこで学び育ったロビンはやがて音楽の才能を開花させ、ピノコニーだけでなく銀河中に名を馳せる大スターとなった。
だがあるときから、彼女はピノコニーを離れて紛争地帯を巡るようになった。傷ついた人々を助け、学校を建て、その歌声によって希望を届けるようになったのだ。
その中でロビンは首元に銃弾を受けたが、生還を果たし、「調和」の力を借りながら今もなお歌い続けている。
そのまっすぐな意志と内なる勇気こそが、彼女を美しく輝かせるのだ。
サンデー
オーク家当主であり、ロビンの実兄。知的で思慮深い青年。
実は「秩序」のエナを信奉しており、その力によってピノコニーを覆うという大事件を引き起こした。
・現代
現実は苦難に満ちており、そして全ての人間が強く在れるわけではない。多くの傷つく人々を見てきたサンデーは、「調和」の限界を認識するとともに今は亡き「秩序」に希望を見出すようになった。
調和セレモニーの機会を利用して「ハルモニア聖歌隊」衆願のドミニクスをその身に宿し、ディエス・ドミニへと変じたサンデーは大いなる権能をもってアスデナ星系を「エナの夢」に呑み込む。
夢の中で人々は辛い選択を放棄し、適者生存の法則など関係なしに、幸せに生きていくことができる。それを管理するサンデーだけが、現実に残っていればよいのだ。
しかしそれでも歩み続けたいと願う者たちが夢から覚め、彼らの強い「開拓」の意志を前にサンデーは敗北。スターピースカンパニーにより身柄を拘束されることとなった。
しかし「十の石心」ジェイドはから彼がより世界を知るべきだと考え、投資の一環としてその脱獄を手引きするのだった。
ルーサン家
ピノコニーの経済を担うクラン。市場管理や交易、通貨の発行などを担当している。
ハウンド家
ピノコニーのセキュリティを担うクラン。夢境内外の危険を排除し、客人たちの安全を守る。
アイリス家
ピノコニーの文化を担うクラン。数多くの芸術家とスターを輩出し、エンタメ産業を活性化させてきた。
客人たちにサービスを提供する夢境の生命体「スウィート・ドリーム劇団」もアイリス家の資産である。
カタルス家
ピノコニーの建設を担うクラン。カタルス家に雇われた建築家は「ドリームメーカー」と呼ばれ、夢境の創造や開拓に取り組んでいる。
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「秩序」のエナ
宇宙のさまざまな文明に秩序をもたらす星神。「調和」のシペの誕生に伴い、司る概念の近似から吸収されてしまった。
其は立体の音程を構築し、万物を秩序の階級制度に収める。エナの統治を受けた星々は空前絶後の発展を実現し……そして其の死によって衰退していった。
天外聖歌隊
エナを信奉する派閥。エナが万物に独自の記号を与えたことで、それらは「存在」を維持できるようになったとする。
彼らはエナのコードを読み解き、それらを讃美歌とともに文明へと還元してきた。星々の災禍は抑えられ、万物が共存する「秩序」が築かれたが……其はシペに取り込まれ、天外聖歌隊もその姿を消すこととなった。