ぽむぜろアーカイブ

ぽむぜろアーカイブ

限界オタクが推しコンテンツの思い出を記録していきます

劇場版 ポールプリンセス!!をみた【感想】

君はポールダンスを知っているか。

『劇場版ポールプリンセス!!』を観てきたので、その感想とかもろもろを書き出していきます。

さいしょに:ポールプリンセスとは

劇場版ポールプリンセス!!』は2023/11/23に公開されたタツノコプロ制作のアニメーション映画だ。

キャッチコピーは「掴んだポールが、未来を拓く!」。なんか近年のプリキュア名乗りでありそうなリズム感。そしてそう……ポールプリンセスは、「ポールダンス」をテーマとした作品なのである!

実を言うと、私はこの『ポールプリンセス』という名前に予約サイトで初めて触れた(ゲゲゲの謎を観る予定だった)。

聞いたことないタイトルだけど……ポスターかわいいね……って具合にすこしばかりの興味をひかれた私は、作品について軽く調べてみることにした。「劇場版」ってことは元になったアニメがあるはずだし。

すると意外なことにTVアニメはやってなかった!かわりに公式YouTubeから短編3DCGアニメがいくつか配信されていた。その一部に「ポールダンスショームービー」なるものがあり……これをちらと見た私はものの見事に撃ち抜かれてしまった。

 

ポールダンスと空舞う乙女

うち特に刺さった二つをここに紹介したい。

CV.早見沙織の和風ソングだーーーー!!!!まっすぐ!性癖!!ストライク!!

他コンテンツにはなるが……私は「SHOW BY ROCK!!」に登場する「徒然なる操り霧幻庵」という和風バンドが大好きで、そのボーカルが早見沙織さんなのだ。その透き通りながらも、時に苛烈で鮮烈な歌声は「」のワビサビを巧みに表現してみせる。
雅で、優しく、寂しく、力強い……「和×CV.早見沙織」は最強の組み合わせなのである!

そうしたわけで楽曲、キャラクターとしての好き値が既に限界突破してるんだけど、ここで何より惹かれたのは「ポールダンス」というものの性質だった。

これは作中でも実際に言及されていることだが、私がこれまで「ポールダンス」と聞いて思い浮かべていたのは夜のバー……大人のちょっと妖しげな世界だった。そもそもポールダンスの話題に触れる機会がほとんど無く、洋画のそうしたシーンでのみ接点がある感じだったから、そうなるのも仕方ないことなのかもしれない。

しかし!しかしなるほど……!!ポールダンスはれっきとした「ダンス」の一種なんだ!なにを当たり前のことをって感じだけど、私はその「当たり前」に気付けたのがうれしかったし、それを気付かせてくれたポールプリンセスという作品に感謝した。

ダンスという場に「ポール」を持ち込むことで、その表現手法はより立体的に拡張される。飛ぶのだ!跳ぶんじゃなくて……飛ぶ!!アイドルがワイヤーで吊るされるやつとかあるけど……そういったやつでもなくて!

ポールをのぼって、ポールを脚で挟むとかして……くるくる回る!宙を舞い踊る!!なるほどーー!!!!こういうことができるんだ!!!

ひとくちに回るといっても、ドコを支点にするかによってその見え方……魅せ方が大きく変わる。人体のしなやかさや、衣装のたなびきが一つ一つの動きによって強調され、ダンスというものの美しさや面白さを力強く伝えてくれる。

早見さん演じる蒼唯(あおい)ノアちゃんは日本舞踊を演技に取り入れており、そうした「ひらり」の動きがポールダンスと見事にハマっているのだ。回れば袖がふわりと広がり、なびいて、心地よい清涼感をもたらしてくれる。

ポールダンスの可能性とはこれほどのものだったのか……!!

 

こちらは日向未南さん演じる南曜スバルのダンスショームービー。

曲も声もカッコ良すぎて開幕からガツン!!と脳を揺さぶられてしまった。日向未南さん……覚えました。すごい良すぎる。

でまたこのポールダンスがすっごくカッコ良いんだから最高だよね……。スピード感とダイナミックさに溢れていて、何度見ても飽きない。

やっぱりポールダンスにはかなりの体幹と柔軟性が求められる。だから、「ポールダンス」という場において、私たちは普段ならありえない動きを見ることができるのだ。宙に浮いてさかさまに回ったり、両足をおおよそ180°ぐらいに開いて回ってみたり……そうした少女たちの凄まじく、素晴らしいダンスが次々に現れるのはこれが「ポールダンス」をテーマとしたアニメだからだ。

これらの動画でこの作品”ならでは”の強みというものを否応なしに理解させられた私は、その日のうちに映画を観にいくことに決めた。

 

これまでのあらすじ

YouTubeに公開されているショートアニメは0~7話まであって、だいたいこんな感じのあらすじになっている。

高校生・星北ヒナノと幼なじみの西条リリアは、ある夜にポールダンサー・芯央アズミの踊りを目の当たりにし、「ポールダンス」という未知の分野に強い興味を抱くこととなる。アズミがダンス教室を開いていると知った二人は弟子入りを志願するが、アズミスタジオは受講者不足で廃業寸前の状態だった。

ここで諦められない!と二人は街で出会った少女・東坂ミオをスカウトし、更には元体操選手の南曜スバルも加入して、4人でのレッスンがスタートする。
目標は、ヒナノの祖母が運営するプラネタリウムでポールダンスを披露することだ。ヒナノプラネタリウムを廃業から救いたかったし、そのアイデアは他のメンバーたちにとっても好ましいものであった。

そして厳しい特訓やSNSを通じた集客の甲斐あり、プラネタリウムでのポールダンスは大成功!ポールダンスの楽しさを噛み締める4人に、アズミは大会出場の話を持ちかけるのだった……。

プロジェクトは昨年末に動き出したばかりなので、ポールプリンセスのドラマは(※ボイスドラマを除けば)以上となるようだ。で、劇場版ではその続きにあたるストーリーが展開される。

 

キャラ紹介

●アズミスタジオの面々

ヒナノ(CV.土屋李央)

王道おっとりガーリーな子。主人公かわいさというべきか……。むかしバレエをやってたけど途中で辞めちゃったらしい。
私は声の土屋さんをシャニマスの樋口円香やブルアカのミサキ等で知っていたので、クレジットで名前を見たときちょっとびっくりした。演技の方向性ぜんぜん違う!!

リリア(CV.鈴木杏奈

ヒナノの幼なじみでムードメーカー!黄色キャラって感じの元気っ子。褐色。
周りの空気を敏感に感じ取れる子で、やさしみに溢れている。

ミオ(CV.小倉唯

コスプレ趣味の女の子。オタク気質があり、誰に対しても「ですぅ」みたいな喋り方をする。髪がすごいツートンカラー。衣装を作れるすごい子。

スバル(CV.日向未南)

19歳でチームの中では最年長。むかし体操をやっていたが、怪我により挫折。目標を失っていたところ、アズミにその身体能力を見込まれスタジオメンバーとなる。最年長ゆえかふしぎな落ち着きがある。

アズミ(CV.釘宮理恵

ヒナノたちの講師で、面白お姉さん。会話の中でいまいちピンとこない例えを連発する。こういうタイプのくぎゅうボイスもあるんだねぇ……。

 

●エルダンジュ……トップチーム。めっちゃうまい。すごい。つよい。

ユカリ(CV.南條愛乃

いわゆる王者キャラ。高貴だしストイックだし、ポールダンスがとにかくうまい。それ以外は抜けてる。むかしヒナノとバレエ発表会で会ったことがある。

ノア(CV.早見沙織

ユカリの幼なじみ。おだやかやさしい感じ。日本舞踊の家元に生まれており、ポールダンスではその経験を活かした演技を披露する。オッドアイ

サナ(CV.日高里菜

あざとかわいい系女子。SNSのバズとかを気にするタイプ。

 

 

゚+。*゚+。。+゚*。+゚ ゚+。*゚+。。+゚*。+゚ ゚+。*゚+

 

以降ネタバレあり感想!!!

 

゚+。*゚+。。+゚*。+゚ ゚+。*゚+。。+゚*。+゚ ゚+。*゚+

 

ネタバレあり感想

大会に出場したアズミスタジオの4人……チーム「ギャラクシープリンセス」は、予選を難なく通過するもその先で超つよつよチーム「エルダンジュ」と邂逅する。ヒナノはユカリとちょっとした因縁……みたいなものがあって、悩んだりするんだけど、仲間の支えを受けてそれを乗り越えるというシンプルなお話。

正直なところ、ドラマ自体に強く心を突き動かされることはなかった。しかし、このドラマがあることでキャラクターへの愛着が増し、ポールダンスの魅力が幾倍にも増しているように感じられる……。

大会パートではまず主人公チームより先に、エルダンジュの演技がお披露目される。これがもう本当にすごい。ひと演技終わるたびに主人公チームが「ほああ……」ってなるシーン挟まれてたけど、そうなっちゃうのも仕方ないぐらい圧倒的な迫力と美しさがあった。

ユカリ様の体幹どうなってるの!??意味わからない動きをしすぎる。人体ってこんなに可能性あるんだ……。あとモーションキャプチャーのために実際踊ってるダンサーさんの身体もどうなってるの!!?

ダンスの演出やカメラワークがこれまた本当に素晴らしくて、まったく目が離せなかった。ちなみに『劇場版ポールプリンセス!!』の監督は江副(えぞえ)仁美さんで、CGディレクター(にして作品自体の発起人)は乙部善弘さん。お二人ともプリティーシリーズのライブ演出に大きく携わってきた方であり、このクオリティにもなるほど納得ができるというものです。本当にすごい……!!!

あとやっぱりノアさんのダンスすきだった。刀に炎まとわせるのアリ!?目の色変えるの何!!?やりたい放題ですごい。回りながら炎の軌跡描いてくの良すぎた……かっこい……。

軌跡といえばリリアとスバルのダブルスもよかった。手足を動かせば光のラインになって残る……こういうの素敵やんね……。

各ダンスシーンに盛り込まれたアイデアがどれも面白くて、ぜんぶに違った良さがあって、ずっと見ごたえたっぷりだった……。ヒナノちゃんに羽が生えるとこすき……。

このポールダンスラッシュは……たしかに劇場で観る価値がある!!!

ポールプリンセス、とても面白いコンテンツです。これからキャラクターが深掘りされたり、チームが増えていったりして、ストーリーの味わいとかも深まっていくと嬉しいな。今後の展開も期待しています!!