夏はコミケ!同人誌をめぐる友情の物語「学漫同人物語」を読み返そうって記事!
本編は2023/08/23に公開された。
①
知識解放戦線のモミジとメルは、図書館の掃除中に古の名作漫画「ルナ」を発見する。モミジに促され目を通してみるメルだったが、そのストーリーの粗雑さにはツッコまずにはいられない。するとルナを愛するモミジは憤慨!「メル先輩だって人の事を言える立場ですか!」次第に口喧嘩はヒートアップし、モミジは図書館を飛び出していってしまう。
そこでハッと正気を取り戻したメルは、涙ながらに「どうすればモミジと仲直りできるんだろう」と先生に相談する。ただ謝るだけじゃいけない……「ルナ」の最終巻をプレゼントすれば、きっとモミジも喜んでくれるはず!ということで古本屋を探し回るメルと先生であったが、どうにも見つからない。
途方に暮れていると、出版部の三善タカネが現れる。彼女は件の「ルナ」22巻について何かを知っているようで……。
②
タカネの勧めで出版部の印刷所を訪ねた二人は、部長の荒槇ヤクモから「ルナ」オフ会の存在を仄めかされる。
「ヤクモの依頼を受ける」という交換条件を呑み、オフ会の開催情報を入手したメルはさっそく足を向けるが……そこで開かれていたのはなんとルナオンリーの同人誌即売会!
ルナファンクラブ会長であったタカネによれば、ルナは人気の低迷によって休載ENDとなってしまった……いわば「未完の名作」なのだという。僅かに出回っているとされていた22巻は、いずれもファンによる二次創作であったのだ。
タカネは「界隈最大手の同人誌をプレゼントすれば、あるいは仲直りできるかもしれない」と提案する……が、そこでメルは自ら「ルナ」最終巻を描き上げることを決意。その意を汲んだタカネは、4日後に開かれる「ルナ22巻プチオンリー」でサークル参加するよう促すのだった。
③
タイムリミットは4日!アシスタントのモミジがいない状況で、睡眠時間を削りながら必死に筆を進めるメル。すると2日目の夜、先生のもとにモミジからの電話が掛かってくる!モミジもまた自らの言動を省み、メルとの仲直りを望んでいたのだ。
そして3日目。再び顔を合わせたモミジとメルは互いに謝罪し、無事和解を果たす。
これにより当初の目的は達成されたが__メルは、「親友へのプレゼント」として同人誌を完成させるつもりでいた。
モミジもまたアシスタントとしてメルを隣で支え……最終日の朝、ついにルナ本は完成の時を見る!
④
「チェリノを主役に据えろ」と要求してくる事務局、「革命思想を取り入れろ」という工務部、「価値ある品みたいなので渡してください」と襲ってくる227号特別クラスを退け、なんとかプチオンリー会場に辿り着く一行。
するとそこで待ち受けていたヤクモは、先の契約に基づき同人誌の譲渡を迫ってくるではないか!彼女はメルが今回経験したドラマを実写映画化し、同人誌をプロモーション等に利用する腹づもりでいたのだ。当然メルたちはこれを拒否し、ヤクモのタレコミに応じた保安委員を撃破。ヤクモはやむなく撤退していく。そしてタカネはメルとその作品を高く評価し、次回プチオンリーの日程を伝えて去っていくのだった。
これにて一件落着!安堵とともに舞い上がるメルだったが、先生を巻き込んだ件についてモミジからみっちりお説教を受けることとなる。その様子を眺めながら、先生は「まぁ、今日も平和ということで」と〆るのだった。