ぽむぜろアーカイブ

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メインストーリーFinal. あまねく奇跡の始発点編4章「プレナパテス決戦」を読みかえす!【Scenario Archive】

終わるはずの物語を、終わらせないために。終着点から始発点へとレールを繋ぐ、足掻きと祈り……最終編4章「プレナパテス決戦」を読み返そうって記事!
2023/03/08に前編、03/11に後編が公開。03/29に後日談1、04/22に後日談2が追加された。

ウトナピシュティムをハッキングした「箱舟」は、その自爆シーケンスを実行。さらに本船のエネルギーを次元エンジンの修復に利用し、サンクトゥムの多次元解釈演算を加速し始める。ヒマリやヴェリタスは急ぎシステムの連結解除を試みるも、アルゴリズムを常時変更する相手に対し苦戦を強いられてしまう。

箱舟の管制システムを担っているのは、プレナパテスの傍らに立つ少女__A.R.O.N.Aだ。アロナが動揺する中で、A.R.O.N.Aは自らが別時間軸における「シッテムの箱」のメインOSであること、実在の有無が未確定なまま混ざり合う「ナラム・シンの玉座」の特性を用いて限定的に実体化を果たしていることを明かす。

そして判明するプレナパテスの正体__それは、「別時間軸の先生」であった。

シロコに殺された先生は、色彩の影響を受けて嚮導者へと変化したのだ。世界を終焉に導くという、シロコの運命を実現させるために……。

「私が……先生を……ころ、した……?」

シロコは別時間軸の己が取った行動を受け入れられず、激情に任せて銃を乱射する。

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しかしシロコ*テラーはそれを軽くあしらい、「世界を滅亡に導くことこそが、砂狼シロコという存在の運命」と冷たく言い放つ。

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本来、世界を終焉に導く「崇高」は1つの世界に2つも存在できない。だからこそプレナパテスはこの世界のシロコを拉致し、実在と非実在の混ざり合った箱舟に閉じ込めたのであった。

リオは多次元解釈の抑制機能を利用し、強制的にウトナピシュティムを停止。自爆シーケンスの進行を食い止めることに成功する。あくまで一時しのぎに過ぎないが、この隙に箱舟内の中継端末を破壊し、管制権を奪還することができれば……!

箱舟最東端と最西端の解除装置を同時に破壊すれば、中継端末の位置する最下層セクション「シャル・カリ・シャッリ回廊」のセキュリティシステムを瞬間停止させることができるはずだ。

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そしてシャル・カリ・シャッリ回廊までの約1,200mを一気に駆け抜けることができるのは……給食部の車のみ!美食研究会によって運転席に押し込まれたフウカは、絶叫しながら最下層セクションに落下していくのだった。

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しかしその最中に、A.R.O.N.Aが新たなサンクトゥムの顕現プロセスをスタートする!

多次元解釈の抑制限界時間が急速に減少していくなか、トキはミレニアム自治区より離れた場所でサンクトゥムを発見する。ヒマリやリオは撤退を求めるが、応援が間に合う距離ではないとして、トキはアビ・エシュフを装着。サンクトゥムより溢れ出すDivi:Sionやミメシスの群れに単身飛び込んでいくのだった。

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トキがその身を削りながら稼いだ時間で、フウカたちはシャル・カリ・シャッリ回廊に到達。対策委員会とゲーム開発部が東西の解除装置を破壊すると同時に……アカリの榴弾が中継端末を吹き飛ばす!

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ディスプレイに浮かび上がる「連結解除承認」の文字!抑制限界時間は残り1秒……コンマの差で勝利をその手に掴んだのだ!

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そして……満身創痍のトキのもとには、C&Cのエージェントたちが駆け付ける!セイアの「勘」をノアが信じ、予めヘリを手配していたのである!

驚きを隠せないリオに対し、セイアは柔らかく語りかける。

「たまには、このように安易な解があっても良いのではないだろうか?」

「……未来を識ってしまったが故に、苦痛を強いられた者にとっては、尚更」

ウトナピシュティムのシステム復旧に伴い、虚妄のサンクトゥムは消滅。生徒たちは先生を助けるために、ナラム・シンの玉座へと集っていく。

「そう__私が勝てなくても構わない。“みんな”で勝てばいいから」

そこでシロコ*テラーは、先生とシロコの目的が時間稼ぎであったことを悟る。どんなに困難な状況でも、絶体絶命の窮地においても常に前を向き、立ち上がる……そんな先生が存在する限り、生徒たちもまた折れない。それは彼女自身がよく理解していたことであった。

シロコ*テラーが先生の抹殺を決意すると共に、A.R.O.N.Aは戦闘支援モードに突入。そしてプレナパテスは、「大人のカード」を取り出す……。

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「大人のカード」対「大人のカード」の戦いを制したのは先生たちであった。先生は倒れ伏したシロコ*テラーに対し、その身に何が起きたのかを問う。

そこでナラム・シンの玉座に現れたホシノたちの姿を目の当たりにし、シロコ*テラーは遂に決壊。表情を歪め、赤子のように大声で泣き叫ぶ。

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「わ、たし……わたし、の、せい、なの……!」

「わたし、が、いるから、せかいが……滅亡、した……」

「こんな結末、望んで、なかった……」

「先生を、殺したく、なかった……!」

「最後、まで、やり通せもしない、意気地なしで、ごめんなさい。でも、私は、もう……だめ……むり、だよ、もう……」

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あの日。ホシノからマフラーを貰わずに、そのまま倒れていたら……先生は、みんなは、今も生きていたのかもしれない。わたしさえいなければ、わたしが生まれてさえ来なければ……シロコ*テラーは嗚咽とともに、ひたすら謝罪の言葉を繰り返す。

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ホシノはその時、彼女の眼差しに感じていた奇妙な「懐かしさ」の正体を理解する。そこには、ユメの遺体を見つけた時の己と同じ……深い苦痛と絶望が刻み込まれていたのだ。

「……マフラー。あなたはまだ持ってるんだね。私は……どこにやったんだっけ」

「思い出せない……いつ、それを失くしたのかも……もう、分からない」

「すごく大切だったのに、どうしてだろ……」

「いつ、だったかな……私__」

 

__シャーレが破壊され、先生が意識不明の重体になってから数ヶ月が経過していた。

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ホシノは死に、セリカは行方不明になって戻らない。

アヤネは自ら生命維持装置を外し、ノノミはアビドスを離れ、“そうなった”……。

アビドスに残されたのは、莫大な借金とシロコただ一人のみ。

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シャーレ襲撃より100日が経過。医療関係者は先生の回復は見込めないと判断し、「これ以上の延命治療は無意味である」と発表した。

(……うん。もう、いいや。)

シロコを保つものは、もはや何も無くなった。マフラーは風に巻き取られ、しかしシロコには、もはや立ち上がる気力もない。傷の手当もせず、何日も食事を取っていなかったからだろうか。シロコは自分の命が燃え尽きていくのを感じていた。

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(……もう、苦しまなくていいんだ)

(でも、それなら……どうして。私は……どうしてここに生まれたんだろう)

 

(……そっか。私も……みんなも、苦しむために生まれてきたんだ)

瞬間、この世ならざる不気味な光がシロコを照らす。

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それは無名の司祭たちが引き寄せた「色彩」の光であった。

無名の司祭らは、神を崇めるが故に「崇高」を所有できる。つまり、彼らは色彩によって反転したシロコを「色彩の嚮導者」として思うままに操ることができるのだ。

全ては生徒たち__「忘れられた神々」をあらゆる時空から消滅させるために。

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死の神アヌビスとしての「恐怖」を顕現させられたシロコは、無名の司祭の思惑通りに世界を終焉へと導いていく。

 

爆発音と悲鳴が響き渡る中で、先生は目を覚ます。四肢どころか、目や耳、口さえもまともに動かない状態で、先生はA.R.O.N.Aのサポートを受けながらシロコのもとに向かう。

そこで無名の司祭らは、奇跡の力を秘めた「シッテムの箱」の破壊を指示。シロコの前には、A.R.O.N.Aの支えを失い無防備となった先生の身体が曝け出される。

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「だめ……私には、できない……」

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瞳を伏せ、力なく銃口を下ろすシロコ。しかし彼女が手を下すまでもなく、先生は遂に肉体の限界を迎えてしまう。

「先生、ごめんなさい……私のせいで……」

「わたし、が、いきて、いるから……」

死にゆく先生を前にボロボロと涙を零すシロコ。すると直後、「色彩」は先生の亡骸へと接触する!シロコは必死に拒絶するが、そのまま色彩の光は先生を呑み込み……「プレナパテス」へと作り変えてしまうのだった。

 

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再び立ち上がったプレナパテスは、頭上に箱舟の全エネルギーを集中させていく。ここで最大の一撃を放つつもりなのだ……このままでは作戦の全てが水泡と帰す!

幸いなことに、シロコ*テラーの空間跳躍を模してリオが急遽完成させた「脱出シーケンス」も存在する。リンは自爆シーケンスの実行を決意し、艦内オペレーターたちを地上へと脱出させていく。

崩落する箱舟の中で、先生と残る生徒たちは最後の戦いに挑む!

アトラ・ハシースのスーパーノヴァを受けてプレナパテスは倒れた!箱舟の完全崩壊を前に、先生は全ての生徒たちを避難させていく。あとは、先生が自分用のシーケンスで脱出するだけだ。

 

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(ああ……)

雨の下で涙を零すシロコ。その声を、もはや先生は聞き取ることさえできなかった。

(伝えるべきことを伝えられなかった……)

 

(でも……やらなくては)

大人の責任を、先生の義務を果たすために。

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色彩と先生の接触は、無名の司祭たちにとって想定外の事態であった。

崇高、神秘、恐怖……そのいずれも持たぬ先生に、色彩が接触する理由など無いのだ。

「あの者が、死の神の代わりに色彩の嚮導者になるというのか?」

「理解できぬ__だが、あの箱を我々が所有できるのなら、理解する必要も無い」

箱の力を手中に収めた司祭らは、先生に“偽りの先生(プレナパテス)”の名を与える。

 

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「色彩の嚮導者」は無名の司祭の意思を代弁するものであり、自由意志を持つことなどできない__はずだった。しかし最期の瞬間に戒めから解放されたプレナパテスは、その口を開く。あの日伝えられなかったことを、伝えるために。

 

あなたのせいじゃないよ、シロコ

自分の生を、悔やんだり__責めないで。

幸せになりたいと願う気持ちを__否定しないで。

生きることを諦めて、苦しみから解き放たれた__だなんて、悲しいことを言わないで。

苦しむために生まれてきた__なんて、思わないで。

そんな事は絶対にないのだから。

どんな子供も、そう思う必要なんて無いのだから。

子どもの「世界」が、苦しみで溢れているのなら……

子どもが、絶望と悲しみの淵でその生を終わらせたいと願うのなら__

そんな願いが、この世界のどこかにまだ存在するというのなら__

それは__その「世界」の責任者のせいであって、子どもが抱えるものじゃない。

世界の「責任を負う者」が抱えるものだよ。

たとえ罪を犯したとしても、赦されないことをしたとしても__

子どもが責任を負う世界なんて、あってはならないんだよ。

いつ、いかなる時であっても__子どもと共に生きていく大人が背負うべき事だからね。

 

「……責任は、私が負うからね」

 

神が顕現したもの?光であり絶対者?畏怖すべき観念?そんなことはどうだっていい。

先生にとって、シロコはただの「生徒」で、ただの「子ども」なのだ。

子供を、生徒を守るためなら、いかなる代償を払おうとも構わない。それが大人としての、先生としての責任を果たすということだ。

 

「生徒たちを……よろしく、お願いします」

 

それは、どんな世界でも変わらない。先生は迷わず、最後の脱出シーケンスをシロコに用いるのだった。

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激しい閃光とともに、箱舟は崩壊した。

A.R.O.N.Aはその時、プレナパテスの真意に思い至る。

「……先生は、信じていたのですか?この結末に至った自身がやり遂げられなかったことを、この結末を避けた自身なら、やり遂げられると?」

「自分なら……同じ状況で、同じ選択を取る……と?」

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箱舟から身一つで投げ出された先生を救うため、アロナは限界まで力を振り絞る。しかしウトナピシュティムで受けたダメージと箱舟の演算負荷によって、もはやその力はほとんど残されていなかった。
先生はアロナにこれまでの感謝を伝え、自分よりもA.R.O.N.Aに手を差し伸べてあげて欲しいと告げる。彼女もまた、助けるべき「生徒」の一人なのだ。

 

アロナは無力に涙しながら、先生の願いに応じてA.R.O.N.AのOSデータを自身の「教室」にサルベージする。すると先生の想いを悟ったA.R.O.N.Aは、シッテムの箱への強制干渉を開始するではないか。

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「今からあなたと私の力を合わせ、奇跡を起こします」

煌めく湖面の上で、A.R.O.N.Aはアロナに手を伸ばす。

「アロナ、手を。……私を、信じてくれますか?」

「……はい。先生があなたを信じましたから。私も、信じます」

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「……ありがとうございます。はじめましょう。あなたと私……私たちの、奇跡を」

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二人の手と手が結ばれ、シッテムの箱からは眩い光が弾ける。

その輝きは、夜空を駆ける流星にも似ていた。

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だから先生、どうか……

この絆を……

私たちとの思い出、過ごしてきたその全ての日々を……

どうか……覚えていてください。大切なものは、決して消えることはありません。

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ですから__帰りましょう、先生。

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私たちの、すべての「奇跡」が在る場所へ。

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よろめくシロコ*テラーの身体を支えたのは、この世界の“シロコ”であった。

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シロコは彼女に対し、対策委員会との思い出が詰まった「覆面」を手渡す。これがあればどんな銀行だって襲える__と。

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シロコは本来、一つの世界に一人だけしか存在できない。しかし、ここは「先生が守ってくれている」場所だ。だから、きっと大丈夫。

「いつか一緒に銀行を襲__いや、ツーリングにでも行こう」

「銀行はダメ。……ホシノ先輩に怒られちゃう」

シロコ*テラーは表情を綻ばせ、シロコのもとを去っていくのだった。

「それじゃ……元気でね」

 

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A.R.O.N.Aはアロナの負担となることを避けるべく、静かにその姿を消そうとしていた。あてもなく砂浜を歩き続けるA.R.O.N.A……をしかしアロナが引き留める!

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「おうちはこっちですよ、一緒にいきましょう!」

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私がここに居てもいいのでしょうか……躊躇するA.R.O.N.Aに対し、アロナは「“プラナちゃん”をお世話するのが私の役目です!」と明るく言い放つ。

「プラナ……?」

「私が今名付けました。なんだか夜空に光る星みたいというか……ちょっと寂しいような、儚いような……そんな雰囲気がありますので!」

「なので、これからはプラネタリウムみたいに、周りを温かい光で照らしてくれたらと思って、“プラナ”にしてみました!」

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アロナとプラナは手を繋ぎ、帰っていく。

すべての物語が始まる場所__Blue Archiveに。

 

あまねく奇跡の始発点に。

 

 

エピローグ

此度の事件でカイザーに裏切られたカヤは、しかし協定の継続を判断する。大義のためには時に私情さえ捨て去ってしまえる人物こそが、「超人」であると信じているからだ。かくして破壊されたサンクトゥムタワーは、カイザーインダストリーの手によって再建設が進められていくこととなる。

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ゲーム開発部の部室では、アリスが手のひらサイズのロボット人形を組み立てていた。ケイが消えた時、アリスはこのような形のロボットを見た気がするのだという。

するとモモイのゲーム機に、「Kei」という名のセーブデータが生じていることが判明。一行は急いでヒマリのもとに向かう。ヒマリによれば、ファイルのデータ量はたった2KBしかなく、現時点でそれが「ケイ」であると断言するのは難しいとのことだった。

しかしヒマリは気を利かせ、アリスの作ったロボットにUSBの機能を追加。ケイのデータを封入し、さらにストラップとして持ち運べるよう仕立て上げてみせる。アリスは歓喜し、ヒマリに感謝を伝えるのだった。

 

アツコたちアリウススクワッドは、サオリを「自分探し」に送り出していた。

私たちはもう、あの時みたいな子供じゃないから」そんなアツコの言葉にサオリは頷き、ヘルメットを被って波乱だらけの裏社会に再び身を投じていく。

 

地上へ無事帰還を果たした先生は、忍術研究部が大雪原より回収してきたという手紙を開く。そこには、百鬼夜行の大預言者・クズノハからのメッセージが記されていた。

「色彩によって反転した者を元に戻す方法など存在せぬ」

「だがそれでも、助けたい者が居ると申すのなら__妾を訪ねてくりゃれ」

 

そして一方、D.U.シラトリ区の復旧作業に励むリンの元にも一通の手紙が届いていた。

差出人は書かれていない……しかしその筆跡は、リンにとってあまりに見覚えのあるものであった。

「連邦生徒会長……?」

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後日談

「これは、新しい局面を迎えるための幕間__幕を引かれた物語は、新たな舞台へと続いていく」

物語は続けられるべきである。フランシスはそのために、ゲマトリアから追放された“旧友”を訪ねることとする。

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アロナは以前にも増してよく眠るようになった。プラナの存在が、少なからずシッテムの箱に影響を及ぼしているのだ。そんなアロナの横顔を見つめながら、プラナは呟く。

Q.E.D__証明完了」

プラナはこの時間軸においても連邦生徒会長が失踪していることを悟り、そして__演算の果てに、自身とアロナがなぜ似て非なる存在であるのかを理解したのだ。

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「ここに居たのですね……だからこそ、誰にも見つけられなかった。そうでしょう?」

 

「____連邦生徒会長」