ぽむぜろアーカイブ

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メインストーリーFinal. あまねく奇跡の始発点編3章「アトラ・ハシースの箱舟占領戦」を読みかえす!【Scenario Archive】

舞台は宙へ!太古の兵器が蘇り、責務と勇気が試される……最終編3章「アトラ・ハシースの箱舟占領戦」を読み返そうって記事!

本編は2023/02/22に公開された。

シャーレに現れたシロコは、全てのものを常世に送ることが自身に与えられた役割であり、本質なのだと告げる。彼女は色彩に操られているのではなく、むしろその本質を遂行するために色彩を利用している立場にあるのだという。

リンの威嚇射撃を受け、再び異空間へ撤退しようとするシロコ。彼女を追わんとした先生は、ワームホールの彼方に色彩の嚮導者・プレナパテスの姿を垣間見る。

一方その頃。黒服は砕けたマエストロの身体を修復し、ゲマトリアの一時解散を告げていた。
獲得した秘儀が全てプレナパテスに奪取・複製されてしまうのならば、いまゲマトリアが活動する意味はない……。マエストロはゴルコンダの別人格たる「フランシス」が現れたことを危惧しながら、黒服自身の今後を問う。


百鬼夜行の大雪原に向かった忍術研究部は、そこで百花繚乱の副委員長・御稜ナグサと出会う。ナグサは「黄昏の寺院」が破壊されて久しいことを語り、アヤメから預かったという古めかしい巻物を手渡す。
そこにはクズノハからの__「色彩によって反転した者が元に戻ることは決してない」というメッセージが記されていた。

レッドウィンターの氷海、スランピア地下、ゲヘナのヒノム火山、トリニティのカタコンベで超高濃度のエネルギーが観測された。再び虚妄のサンクトゥムが出現しようとしているのだ!このままでは同じことの繰り返し、ゆっくりとキヴォトスが破滅に追いやられていくだけだ。

故に叩かなければならないのは、虚妄のサンクトゥムを生成するエネルギーの中心点__キヴォトスの上空75,000メートルに位置する巨大構造体だ!そこにシロコと……色彩の嚮導者はいる!

ヒマリたちはエリドゥに残されていた巡航ミサイルで攻撃を試みるも、ミサイルは構造体をすり抜けていく。まるで幻影を相手にしているかのように……。
そこでハナコは、シスターフッドと古書館、そしてティーパーティーの情報から構造体周囲に展開された球状の膜が「多次元解釈」のバリアとなっていることを突き止める。

そこには多次元の実在と非実在が……全ての可能性が分岐しないまま混じり合って存在しているのだ。この世界のあらゆる法則から切り離されたそれに対しては、物理的な攻撃手段が通用しない。
多次元を分析し、バリアと同じ振動パターンを再現できるようになれば、活路は見出せるかもしれないが……多次元の計算などあまりに荒唐無稽で、現代の技術では到底不可能である。

そこで先生は、単身でゲマトリアの本拠に乗り込み、黒服と接触する。黒服はそんな先生の死をも厭わぬ覚悟を認めて、空中要塞「アトラ・ハシースの箱舟」に対抗しうる超古代兵器__太古の恐怖がアビドス砂漠に在ることを明かす。

超古代兵器の発掘に成功したプレジデントは、それを起動させるべくサンクトゥムタワーの制圧に乗り出した。しかし虚妄のサンクトゥムの到来によってサンクトゥムタワーが破壊されてしまったために、やむなくカイザーPMCは手を引いたのだ。

故に、超古代兵器「ウトナピシュティムの本船(もとぶね)」を起動できるのは、今この世界にただ一人……サンクトゥムタワーに匹敵するオーパーツシッテムの箱の所有者たる先生だけなのである。

虚妄のサンクトゥム再出現まで時間がない。先生がもたらした情報をもとに、一行はカイザーPMCを蹴散らして「ウトナピシュティムの本船」を確保する。

ヴェリタスがオペレーティングシステムを、エンジニア部がハードウェアを解析するなかで、ケイはアリスの身を案じていた。ウトナピシュティムの本船は、かつて彼女たちの敵がアトラ・ハシースの箱舟に対抗するべく生み出した決戦兵器なのだ。起動した瞬間、それは「名もなき神々の王女」たるアリスに牙を剥くことだろう……。

解析の結果、ウトナピシュティムの本船には一切の武器が搭載されていないばかりか、艦内システムの75%以上が論理演算装置となっていることが判明する。いわば、これは「飛行可能な量子コンピュータ」なのだ。つまり本船を用いれば多次元解釈を計算し、アトラ・ハシースの箱舟へと攻撃を仕掛けることが可能になるのである。

早速計算に取り掛かるヒマリのもとに、リオの命を受けてきたという小型AMASが現れる。当然、そのような嘘に騙されるヒマリではない。リオ本人が、ドローンを介して話しているのだ。
ヒマリはそんなリオを激しく糾弾する。アリスのこともそうだが、何より許しがたいのは、トキの処遇についてだ。彼女はトキに対して他者との交流を禁じたばかりか、殺人の片棒を担がせようとした。挙句の果てに、「自由に生きろ」などと放り出して……トキは後ろめたさを抱えたまま、少しでも皆の役に立ちたいと、今も一人で戦っているというのに。

しかしハナコは「破滅の預言を知ってしまったがために、自ら国を破滅に追いやってしまった王」の寓話を持ち出してヒマリを諭し、二者を協力させる。そも、多次元解釈の計算が間違っていれば、乗員たちの死は免れないのだから……。

こちらの勝利条件は箱舟内の各エリアを占領=ハッキングし、箱舟の制御権を奪うことだ。さすれば、箱舟を自爆もしくは墜落させることができる。成功確率はたったの3%だが、失敗すればキヴォトスそのものが滅びるのだから、やらない理由にはならない。

ウトナピシュティムの本船には先生リンモカアユムヒマリユウカハナコアコカヨコアヤネの10名がオペレーターとして搭乗することとなった。

更にはシロコ奪還を目的とする対策委員会と、船の唯一の武装といえる「光の剣」を扱うことのできるアリス、そして彼女の仲間たるゲーム開発部も占領戦のサポートを志願。そして宇宙食を求めてやって来た美食研究会と、例のごとく攫われてきたフウカが船員の食事を担当するかたちとなり、総勢22名を乗せてウトナピシュティムの本船は起動準備に入る。

本船を起動すれば、シッテムの箱の所有者たる先生には想像を絶する負荷が降り掛かるだろう。先生を気遣うアロナだったが、先生は大人の責務を果たすためならいかなる代償を払っても構わないと考えていた。

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「ウトナピシュティムの本船、発進!!」

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先生がシッテムの箱を接続した次の瞬間、あらゆるモニタが点灯し、本船は高高度へ向けて急速に浮上していく。凄まじいフィードバックに襲われ、遠のく意識の中で……先生は、どこか懐かしい少女の言葉を思い出す。

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「先生」

「きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません。何も思い出せなくても、おそらくあなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから」

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「ですから……大事なのは経験ではなく、選択」

「私が信じられる大人である、あなたになら、この捻れて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を……」

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「そこへ繋がる選択肢は……きっと見つかるはずです」

「だから先生、どうか……」

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この、絆を……

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私たちの思い出……過ごしてきたすべての日々を……どうか……

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多次元解釈システムを起動したヒマリたちであったが、その努力を嘲笑うかのようにして、アトラ・ハシースの箱舟はバリアの値を変化させてしまう。このまま衝突すれば、ウトナピシュティムの本船は別の次元に取り込まれるか、バラバラに崩れ去ってしまう!

この状況を打開できる方策はたった一つ__コピーされた箱舟に、オリジナルの「箱舟」をもって介入するのだ。リオの言わんとする所を理解し、ヒマリは憤慨するが……アリスはそれを自らの意思で受け入れる。

アリスの中にある箱舟で今の危機を解決できるのなら、アトラ・ハシースの箱舟は、世界を滅亡させる兵器ではなく__世界を救う、勇者の武器になれる。そしてヒマリがこれ以上リオを恨むことも、リオが自分自身を恨む必要もなくなる。それがアリスの……"勇者"の使命なのだ。

ケイはそんなアリスを制止しようとする。ウトナピシュティム起動時に発生するはずだったダメージは全て先生が引き受けることとなったが……プロトコルATRAHASISを実行すれば、今度こそアリスはただでは済まないだろう。

しかし精神世界で、アリスは真正面からケイに語りかける。ケイを理解できなかったから、拒絶して、逃げようとしてしまったこと。それを悔い、ケイの立場になって考えてみたことを。

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「世界を滅亡に導く鍵であることが、ケイの存在理由なら……きっと、苦しかったと思います」

アリスから謝罪の言葉を述べられ、動揺するケイ。

「自分のなりたい存在は、自分で決めていい、と先生が教えてくれました。ケイも、ケイが望む存在になることができます。誰かに許可をもらう必要もありません」

「だからアリスはケイという名前、とても良い名だと思います」

「ケイは、間違えて読んでしまった名前です……アリスの名前みたいに。そこには特別な理由も、目的も、意味もありません」

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そこでケイは、アリスの目的に気付く。アリスはケイが生まれ持った存在理由のために苦しまなくて済むようにしようと……ケイを助けようとしているのだ。

「……アリスは、アリスが誰かを助けられるような存在なのかは分かりません。アリスは見習い勇者ですから……でも、」

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「誰かを助けたいと思う気持ちこそ__"勇者"の資格であると、信じています」

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ケイと和解を果たしたアリスは、次にリオとの対話を図る。

「アリス、私は……。私、は……自らの選択で、あなたを__」

許されざることをしてしまったと身を震わせるリオであったが、しかし許す許さないなどといったことに、アリスはもとより興味が無かった。リオは今こうして、キヴォトスを救うためアリスたちに手を貸してくれている。だから、もう2人は仲間なのだ!

序盤のボスが後半で仲間になるのは、ちょっとした“お約束”展開でもある。そして仲間というものは__言葉にしなくとも気持ちを伝え合うことができる関係なのである。

「リオ先輩は、この世界を守るために、誰よりも頑張った人です」

「そんなすごい人に……アリスの仲間になってくれてありがとう、と伝えたかったんです」

リオが息を呑むなかで、アリスとケイは箱舟の発動準備に入る。

「AL-1Sに接続された利用可能なリソースを確保するため、全体検索を実行」

「リソース名、"ウトナピシュティム"の全体リソース__9999万エクサバイトのデータを確認」

「現時刻をもって、プロトコルATRAHASIS稼働。コード名"アトラ・ハシース"の箱舟起動プロセスを開始します」

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「王女は鍵を手に入れ、箱舟は用意された」

ケイが静かに唱え……そしてアリスが高らかに叫ぶ!

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「名もなき神々の王女、AL-1Sが承認します__ここに、新たな聖域が舞い降りん___!」

アトラ・ハシースの箱舟の基本概念は周囲のデータを「収集」し、「変形」させるというものであった。かつて要塞都市エリドゥのデータから生み出されようとしていた箱舟は、リオの心に巣食った恐怖を基盤に巨大なシェルターを形作ろうとしていた。

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そして今、ウトナピシュティムのデータは__アリスの勇気を基盤として__超巨大なレールガンへと再構築されていく!光の剣:アトラ・ハシースのスーパーノヴァだ!!

「行け、勇者よ……!私たちの世界を救いなさい!!!」

リオの鼓舞に応え、アリスは最大火力で撃ち放つ!

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光_______よ!!!!!!

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空に一筋の閃光が走り……黒球の殻を貫き砕く!!多次元バリアが破壊されたのだ!!!

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この好機を逃してはならない!リンは船を急加速させ、そのまま箱舟の外壁へと激突させる!

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ついに敵の本拠へと辿り着いたのだ!!これも、土壇場でのリオの発想があったからこそ……。ヒマリはそれを認め、「もしも私たちが世界を救うことに成功したのであれば、それはきっと、あなたのおかげでしょう」と微笑みかける。

ヒマリと先生に努力を認められ、感謝され……リオはたまらず泣き崩れるのだった。

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「王女よ。あなたは……その力を使えば、自らが危険に晒されると分かっていて……」

光の剣を振るったアリスは昏倒し、精神世界で消滅の危機を迎えようとしていた。

「私を__皆を救うためであれば、死をも恐れないのでしょうか。それが、あなたの勇気……それが、"勇者"なのでしょうか」

傷ついたアリスを抱え、痛切な表情を浮かべるケイ。

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「いいえ。あなたは消えてはなりません。私はそれを拒否します」

「あなたは消えません……私がそれをさせません」

ケイは優しく瞳を細め、アリスにそっと寄り添う。

「消えるべき存在は、勇者ではなく__世界を滅ぼす"道具"であるべきなのですから」

アリスの傷を引き受けるようにして、ケイの身体は光に包まれていく。

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「それが正しいのです。ですから__これで、大丈夫です」

 

「それと、私に、謝らないでください__アリス」

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箱舟内部に侵入を果たしたウトナピシュティムの本船。そこに、シロコがワームホールを開いて爆弾を投げ込んでくる!アトラ・ハシースの箱舟は巨大な多次元解釈演算装置だ……彼女はその演算能力を利用し、空間を跳躍しているのだろう。

アリスの力で多次元解釈を抑制するのにも限界がある。その制限時間内に多次元解釈演算装置のコアたる「次元エンジン」を全て破壊し、箱舟の管制権を奪うことがこちらの勝利条件だ。

空間跳躍を駆使するシロコは何度も先生や対策委員会の前に立ちはだかり、妨害と逃走を繰り返していく。そこでヒマリは占領した箱舟の演算能力を用いてシロコの位置情報を突き止めようと試みるが……なぜかモニタには彼女の生体反応が2つ映し出されるではないか!対策委員会が戦っている黒衣のシロコとは別に……「彼女らの知るシロコ」が第4エリアに閉じ込められていたのだ!

ゲーム開発部と美食研究会に本船防衛を任せ、対策委員会は特別エリアの制御室を占領。同時に先生はシロコの救出を果たす。全ての次元エンジンが破壊され、あとは脱出を急ぐのみ!となった段階で……なぜか「本船」側の自爆シークエンスが作動する!本船はバックドアからのハッキングを受けていたのだ!シロコ*テラーの目的は……一行の目をハッキングから逸らすことにあったのである!

本船のシステムが多次元解釈演算に利用され、空は再び緋色に染め上げられていく。このままでは新たなサンクトゥムが顕現してしまう!

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ハッキングの主が第4エリア中央部の多次元解釈エンジン管制室__「ナラム・シンの玉座」に存在することを知った先生とシロコは、玉座へと急行。そこで色彩の嚮導者・プレナパテスと相見える

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動けば撃つ!シロコは咄嗟に銃を構えるが、次の瞬間……プレナパテスは懐から"何か"を取り出す。

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『我々は望む、ジェリコの嘆きを』

『我々は覚えている、七つの古則を』

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それは__弾痕の刻まれた、"シッテムの箱"であった。超常の輝きにより、シロコの放った銃弾は全て弾かれていく。


「先生の生体認証完了」


そして爆煙の中から現れたのは、先生のよく知る声の少女で……。

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「シッテムの箱に常駐しているシステム管理者であり、メインOS__」

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「A.R.O.N.A、命令待機中」

プレナパテスを庇うように実体化したA.R.O.N.Aは、シッテムの箱の権限によって箱舟を多次元の同一存在と交代・修復せんとする。

愕然とする先生とシロコを前に、シロコ*テラーは淡々と言い放つ。

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「だから言ったでしょう。定められた運命を変えることはできない、と」

「キヴォトスは予定通り、終焉を迎える」

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