ぽむぜろアーカイブ

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メインストーリーFinal. あまねく奇跡の始発点編1章「シャーレ奪還作戦」を読みかえす!【Scenario Archive】

すべてのおわりとすべてのはじまり。メインストーリー最終編、第1章「シャーレ奪還作戦」を読み返そうって記事!
本編は2023/01/22に公開された。

「先生よ__これまでの物語は全て忘れるが良い」

「これからお前の身に起こることは、最早そのような物語(モノ)ですらないのだから」

「しかして、始めるのだ。物語と呼ぶに満たない、歪な創作を」

「哀れで、未熟で__物語にすら満たぬ歪な創作を」

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ベアトリーチェの儀式に巻き込まれ、白昼夢の中に精神を囚われていたセイアは、その彼方で謎めいた少女__百鬼夜行の大預言者クズノハと邂逅する。

クズノハによれば、セイアを蝕んでいるのは「色彩」と呼ばれる超存在であるのだという。

色彩は物事の根源を反転し、本質を歪曲する力を持つ。色彩によって露出された者の肉体は捻じれ、精神をも侵されて、異物と成り果てるのだ。
ベアトリーチェは儀式を通じてキヴォトスの外部に通じる窓を開き、色彩を利用して肉体を変質させんとしたようだった。間接的に色彩と接触したセイアは変質にこそ至らなかったものの、このままでは現実の肉体が崩壊してしまうのも時間の問題だ……。

ミカを助けたいと願うセイアに、クズノハは「自身を構成する本質をひとつ手放せば、色彩の侵食から逃れることができる」と語る。セイアにとってのそれは、"未来視"の力であった。

そして現実への帰還を選択したセイアは、力が失われゆく過程で最後の予知夢を視る__。

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AL-1S。名もなき神々の王女。キヴォトス以前に存在していたこの世界の主、神秘の前に淘汰されるはずだった旧き人__「無名の司祭」たちのオーパーツが発見されたことについて、ゲマトリアは議論を交わしていた。
オーパーツとは既存科学を凌駕する古の超科学のことであり、ベアトリーチェ保有していた巡航ミサイルや、アツコをヘイローの破壊より守ったドローン装置もその一つに数えられるものであった。

しかしそのようなオーパーツを持ってしても、ベアトリーチェの野望は叶わなかった。シャーレの先生という変数のためだ。キヴォトスが「園都」という概念で存在する限り、先生はゲマトリアを凌駕する……それこそがこの"物語"のジャンル、この世界のルールだからだ。
憎しみに囚われたベアトリーチェは、黒服たちに対し「色彩をキヴォトスに誘導した」ことを明かす。

そして先生は、セイアと同じ奇妙な予知夢を視ていた。全ての色が抜け落ちた、モノクロの世界で。歪なヘイローのシロコが、こちらに銃を突き付けてくる……そんな悪夢を。

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ミレニアムのゲーム開発部は、"宇宙勇者パーティースペースオペラもの"をテーマに新作の開発に取り掛かっていた。勘違いから「ケイ」と名付けられ、鍵という存在理由までもを否定されたKeyは、ひとまず「アリス」を見守ることに決める。

その頃セミナーの執務室では、ヒマリエイミリオの残した膨大な調査データの中から「別の特異現象に備えろ」というメッセージを発見していた。リオより任を解かれ、C&Cに合流していたトキは、しかし後始末をつけるためか自らヒマリたちに協力を申し出る。

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いっぽうトリニティでは、サクラコがアリウス自治区に隠されていたユスティナ聖徒会の礼装を見つけ出していた。アリウスを弾圧しながらも、彼らのトリニティ脱出を助け、復興を支援した最後の聖徒会長。彼女が礼装を放棄し、この地に隠匿したのは罪悪感か、責任感のためか……。サクラコはシスターフッド代表としての正当な権限のもとに、礼装の継承を宣言する。

そしてまた、トリニティ議事堂では三度に渡る聴聞会がついに終わりを迎えようとしていた。「ティーパーティーとしての全権限剥奪」「パテル分派の新代表選出」を条件に、ついにミカに対しては学業の復帰が認められることとなる。

 

キヴォトスを研究対象とするゲマトリアにとって、その崩壊はまったく望ましいものではなかった。ベアトリーチェは世界の滅亡と創造の権限を所有する絶対者になるのだと哄笑を上げている……色彩に触れ、狂気に呑み込まれてしまったのだ。黒服の指示を受け、ゴルコンダはベアトリーチェをキヴォトスの内より消し去るのであった。

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アビドス砂漠D.U.郊外の廃遊園地スランピアミレニアムの廃墟トリニティとゲヘナの境界付近ミレニアム近郊の都市サンクトゥムタワーの中央……キヴォトス全域の計6箇所で超高濃度のエネルギー体が観測された!しかし不思議なことに、データ上では存在するはずのそれが、実際に目視で確認することができないのだ。

先生より奇妙な予知夢の話を聞かされていたリンは、現象の原因と正体を突き止めるべく連邦生徒会長代行の権限を行使し、緊急プロトコルを発動する。各自治区の生徒会代表を招集し、「キヴォトス非常対策委員会」を発足するのである。

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だが財務室長アオイは、その行為が防衛室の権限を侵害していることを告げる。今のリンは、連邦生徒会長の失踪を理由に代行権限を振りかざしていると見なされても仕方ない状態なのだ。

当の防衛室長であるカヤはリンに対し友好的に接するが……彼女の内に恐るべき野望が渦巻いていることをリンは知らなかった。

 

キヴォトス非常対策委員会の発足に伴い、カヤが手配したヴァルキューレ生の警護のもとサンクトゥムタワーに移送されることとなった先生。しかしそれは、カヤと繋がるカイザーPMCの高位指揮官・ジェネラルの罠だった。アビドス砂漠から「構造体」を発掘したカイザーコーポレーションは、ついにキヴォトスの掌握に動き出したのだ。

そしてカイザーPMCの不穏な動きを追ってアビドス砂漠まで赴いていたシロコは、そこで不気味な巨像と対峙する。ホシノが「逃げて」と叫んだその瞬間、赤黒い閃光が放たれて__。

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PMC兵により囚われてしまった先生を助けたのは、傷だらけのヴァルキューレ公安局長・カンナであった。さらに駆けつけたキリノフブキの協力を経て、先生は牢からの脱出に成功する。そしてカンナは、息も絶え絶えに先生が倒れた後のいきさつを語る。

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先生と防衛室長のカヤが行方不明となったことでキヴォトス非常対策委員会は発足に至らず……さらに行政委員会の過半数がリンの不信任に同意してしまったため、彼女の行政命令は再信任投票まで停止されることとなった。

そして連邦生徒会が無防備になった隙に、カイザーPMCがサンクトゥムタワーを襲撃。行政委員会を解散させ、D.U.全域に戒厳令を敷いてしまったのだという。D.U.の交通網、通信網は全て遮断され、D.U.の治安維持は戒厳令のもとカイザーPMCが担うこととなってしまったのだ。

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つまり今のカンナは、組織の命令に背いているも等しいのである。彼女は自分のような汚職警官のために此度の事態が引き起こされたのだと深い責任を感じている様子であった……。

PMCの追っ手が迫る中で、先生はカンナより受け取ったシッテムの箱を再起動させ、たった1秒だけ救助要請を飛ばすことに成功する。すると直後、ガラスを突き破ってRABBIT小隊の4人が駆けつける!

時を同じくして……キヴォトス中の神秘が消えゆくことを惜しむ黒服たちのもとに、黒装束に身を包んだ『シロコ』が襲来していた。

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カイザーPMCはシャーレ地下にリンを幽閉し、連邦生徒会長が残した物質生成器・クラフトチェンバーを起動させてサンクトゥムタワーの行政制御権を強奪したようだ。

先生たちはサンクトゥムタワーの地下通信センターに逃れていたモカアユム、そして正義の心を持つ公安局の生徒たちの協力を得て、カイザーのSOF(特殊部隊員)を突破。リンを助け、行政制御権の奪還と通信網の復旧を成し遂げる。

すると途端、先生のスマホには大量のメッセージが流れ込んでくる!その中には、「シロコが自転車だけを残して消えた」という不穏な文言が含まれていた。

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直後。キヴォトスの空は赤く染まり、シャーレにはデカルコマニーとゴルコンダ……否、フランシスが現れる!

「この物語は、一つのジャンルを掲げていたが故に、“先生”が主人公でいることができた」

「物語であったから、あなたは無敵だった__これは“そういう”物語だった」

「しかし今となっては__この物語は、覆された」

「これが__もう物語でなくなったするならば、お前はもう何者でもない」

「学園と青春の物語は、幕を下ろした」

フランシスの言葉をしかし先生は真っ向から切り捨て、「どんな未来であっても乗り越えていく」と強く言い放つ。

「であれば、それを見守るとしよう。先生__いや、"主人公"よ」

「絶望を__破局を迎え__そうして、結末へと走り出すエンディングを!」

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シロコに銃口を突き付けられながら、黒服は静かに悟っていた。色彩は既に「名もなき神」と接触した後だったのだと。

「嗚呼、狼の神の裏側は__そういうことだったのですね」

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「命あるすべてを常世へと導く、死の神……それがあなたの神秘の裏側、恐怖であった、と」

「これより相対するは__死の神アヌビスが引き寄せた、色彩の嚮導者」

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先生は面識ある全ての生徒に向けてメッセージを送る。この先に何が待ち受けていたとしても、大丈夫。今回もまた、皆で一緒に乗り越えていけば良いのだ。

「ここからは、シャーレの番だよ」